ユーティリティのシャフト選び、特に「80g」という重量帯で、あなたは今、頭を悩ませていませんか?
「自分のアイアンシャフトと本当に合うのだろうか?」「ユーティリティ シャフト 80g カーボンとスチール、一体どちらが自分にとって正解なんだろう?」「そもそも、プロや上級者は何グラムを使っているんだろう?」――。こんな疑問が次々と浮かんでくるかもしれません。コースで「ここぞ」という場面で使うクラブだからこそ、その選択には慎重になりますよね。
実は、その悩み、多くのゴルファーが共有するものです。そして、シャフト一本を変えるだけで、これまで悩みの種だったトップやスライスといったミスが、嘘のように改善されることは決して珍しくありません。
クラブセッティング全体の流れ、いわゆる「重量フロー」を最適化する上で、この80g台のシャフトはまさに「鍵」となる存在なのです。一般社団法人日本ゴルフ用品協会が定めるゴルフクラブの基準においても、シャフトの性能は飛距離や方向性を決定づける最も重要な要素の一つとして位置づけられています。
この記事では、あなたのそんなシャフト選びに関するあらゆる悩みを解決します。結論からお伝えすると、あなたが現在使用しているアイアンシャフトの重量を絶対的な基準とし、そこから導き出される最適な80g台のシャフトを選ぶことで、あなたのユーティリティはスコアメイクに不可欠な、最も信頼できる武器へと進化します。
本記事では、クラブセッティングの心臓部とも言える80g台のユーティリティシャフトについて、なぜ重要なのかという基本的な理由から、具体的な重量フローの計算方法、さらにはモーダス105・120といった大人気アイアンシャフトとの理想的な相性、5W シャフト 80gとの比較、そして賢い中古シャフトの探し方に至るまで、あなたのパフォーマンスを最大化し、ゴルフをさらに上のレベルへ引き上げるための情報を、どこよりも詳しく、網羅的に解説していきます。
- なぜ多くのアマチュアゴルファーにとって「80g」がユーティリティシャフトのスイートスポットなのかが深く理解できる。
- 自分のクラブセットに当てはめて、明日から実践できる「重量フロー」に基づいた最適なシャフト重量の計算方法がわかる。
- カーボンとスチールの素材特性の違いから、それぞれのメリット・デメリット、そしてあなたのスイングに合うのはどちらかが明確になる。
- モーダスをはじめとする具体的なアイアンシャフトに対し、どのユーティリティシャフトがベストマッチなのか、実名モデルを挙げて解説。
ちょっと待って!そのレッスン、本当にプロが原因ですか?
実は、上達しない一番の原因は「プロの質」より「あなたとの相性」かもしれません。
遠回りしないために、まずは自分に合う環境を知ることが大切です。
ユーティリティシャフト 80g台の基本と選び方|素材・硬さ・中古

80g台のユーティリティシャフトは、多くのアベレージゴルファーからアスリートゴルファーまで、幅広い層にとってクラブセッティングの要となり得る、非常に重要な選択肢です。しかし、その選択肢の多さゆえに、何を基準に選べば良いのか分からなくなってしまうことも少なくありません。このセクションでは、後悔しないシャフト選びの基本となる「重量」「素材」「硬さ」の3つの要素を徹底的に深掘りし、さらにコストを抑えつつ最適な一本を見つけるための「中古品」という選択肢についても詳しく解説します。
- 適正重量はアイアンより10-20g軽いのが目安
- 重量フローに基づいた適正重量の簡単な決め方
- カーボンは飛距離性能と高弾道が魅力
- スチールはアイアン感覚で打てる方向性が強み
- 硬さの選び方はヘッドスピードを基準にするのが基本
- ヘッドスピード別のおすすめフレックス早見表
- 中古品なら名器シャフトを安く試せるチャンス
適正重量はアイアンより10-20g軽いのが目安

ユーティリティ シャフト選びの旅は、まず「重量」という名の羅針盤を手にすることから始まります。数あるスペックの中で最も優先すべきこの基準には、明確なセオリーが存在します。それは、「あなたが現在使用しているアイアンシャフトよりも10gから20g程度軽いものを選ぶ」ということです。
なぜこの「-10g〜-20g」が黄金律なのでしょうか。その理由は、スイングの一貫性を生み出す「重量フロー」という考え方にあります。理想的なクラブセッティングでは、最も長いドライバーから最も短いウェッジにかけて、クラブの総重量が滑らかな階段のように徐々に重くなっていきます。
この流れを作ることで、どのクラブを持っても同じリズム、同じタイミングでスイングしやすくなるのです。ユーティリティは、フェアウェイウッドとロングアイアンの間に位置するクラブ。したがって、そのシャフト重量もまた、フェアウェイウッドよりは重く、アイアンよりは軽い、という中間のポジションにあるべきなのです。
例えば、多くのゴルファーに愛用されている100g前後のアイアンシャフト(例:N.S.PRO MODUS³ TOUR 105)を使用している場合、ユーティリティのシャフトは80g台か90g台が最適な候補となります。この範囲内で選ぶことで、アイアンから持ち替えた際の違和感を最小限に抑え、スムーズなスイングへと導きます。
逆にこの原則を無視するとどうなるでしょうか。もしシャフトが軽すぎると、スイング中にヘッドの重みを感じにくくなり、腕の力だけで振ってしまう「手打ち」を誘発します。結果は、ボールの頭を叩くトップや、手前を叩くダフリといった典型的なミスです。
一方で重すぎると、体が回りきらずに振り遅れ、フェースが開いてインパクトを迎えるため、弱々しいスライスや大幅な飛距離ロスに繋がってしまいます。まずはご自身のアイアンシャフトの重量を正確に把握し、そこから最適なユーティリティシャフトの重量を導き出すことから始めましょう。
重量フローに基づいた適正重量の簡単な決め方

UTのシャフト重量を決める上で不可欠な「重量フロー」。この専門用語に気圧される必要は全くありません。以下の3つの簡単なステップを踏むだけで、誰でも自分のセッティングに最適な重量を導き出すことができます。
ステップ1:基準となるアイアンシャフトの重量を正確に調べる
まずは、あなたのクラブセッティングの「基準点」となるアイアンシャフトの重量を確認します。シャフトに印字されているモデル名を、インターネットで検索してみてください。
メーカーの公式サイトやゴルフ用品専門サイトに、詳細なスペック(仕様)が掲載されています。例えば、アマチュアに人気の「N.S.PRO 950GH neo」であれば、Sフレックスで約98gであることが分かります。この数値をメモしておきましょう。
ステップ2:ユーティリティの目標重量を計算する
次に、ステップ1で調べたアイアンの重量から「10g〜20g」を引きます。これがあなたのユーティリティシャフトの目標重量範囲です。先ほどの「N.S.PRO 950GH neo (98g)」の例で言えば、98g – 20g = 78g、98g – 10g = 88g。つまり、78gから88g、いわゆる「80g台」が最適なターゲットゾーンとなります。
ステップ3:フェアウェイウッドとの「流れ」を最終確認する
最後に、フェアウェイウッド(FW)をお持ちであれば、そのシャフト重量も同様に調べて、全体の流れを確認します。FWのシャフト重量よりも、ステップ2で算出したUTの目標重量が重くなっていれば完璧です。
例えば、FWが60g台、アイアンが98gというセッティングの場合、UTに80g台を挿れることで、「FW(60g台) → UT(80g台) → アイアン(90g台)」という非常にスムーズで理想的な重量の階段が出来上がります。この流れを意識するだけで、クラブセット全体に一本の芯が通ったような一体感が生まれ、どんな状況でも自信を持って振り抜けるスイングの再現性が格段に向上するのです。
カーボンは飛距離性能と高弾道が魅力

ユーティリティ シャフト 80gの中でも、特にカーボンシャフトは「飛距離をもう一伸びさせたい」「もっと楽にボールを高く上げたい」と願うゴルファーにとって、非常に強力な味方となります。カーボンという素材は、設計の自由度が非常に高いのが特徴です。これにより、シャフトの特定の部分をしならせたり、逆に戻るスピードを速めたりといった多彩な性能を持たせることが可能です。
飛距離性能の源泉
カーボンシャフトの最大の魅力は、その「しなり」と「しなり戻り」にあります。ダウンスイングで生まれたエネルギーをシャフトのしなりとして蓄積し、インパクトに向けて一気に解放することで、ヘッドスピードを効果的に加速させます。これにより、自分の持っているパワー以上の飛距離を生み出すことが可能になるのです。80g台のカーボンは、しっかりとした重量感があるため、パワーヒッターが振っても頼りなさがなく、エネルギーを余すことなくボールに伝えられます。
高弾道とやさしさ
また、カーボンは衝撃吸収性能にも優れています。インパクト時の不快な振動を軽減してくれるため、打感が非常にマイルドに感じられます。これは、芯を外したミスヒット時にも手首や肘への負担を和らげてくれるというメリットにも繋がります。ボールの捕まりを良くする設計も施しやすいため、スライスに悩むゴルファーが、捕まった高弾道のドローボールを打てるようになるケースも少なくありません。
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スチールはアイアン感覚で打てる方向性が強み

ユーティリティ シャフト 80gのスチールシャフトは、飛距離性能よりも「狙った場所に正確に運ぶ」ことを最優先するゴルファーや、「アイアンと同じフィーリングで打ちたい」と考えるゴルファーにとって、最高の選択肢となります。
方向安定性の秘密
スチールシャフトの最大の武器は、シャフトのねじれ(トルク)が非常に少ないことです。ダウンスイングからインパクトにかけて、ゴルファーがどれだけ力を入れてもシャフトがねじれにくいため、インパクトの瞬間にフェースの向きが非常に安定します。これにより、意図しない左右の曲がりが大幅に抑制され、まるでアイアンのようにターゲットに対して真っ直ぐなラインを出していくことが可能になります。特に風の強い日や、狭いフェアウェイを狙う場面で、その性能は絶大な信頼感をもたらします。
アイアンとの一体感
アイアンに軽量スチールシャフト(例:N.S.PRO 950GHシリーズなど)を使用しているゴルファーにとって、80g台のスチールシャフトは振り心地が極めて近いため、全く違和感なく構え、スイングすることができます。打感も「カツッ」というソリッドな手応えがあり、ボールを低く抑えてコントロールしたり、スピンをかけてグリーンに止めたりといった、アイアンのような操作をしたい場合に最適です。
コストパフォーマンス
一般的に、スチールシャフトはカーボンシャフトに比べて価格がリーズナブルな傾向にあります。高い性能を持ちながらも、コストを抑えてクラブセッティングを組みたいゴルファーにとっても、スチールは非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。
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硬さの選び方はヘッドスピードを基準にするのが基本

ユーティリティ シャフトの「硬さ」、すなわちフレックスの選択は、あなたのスイングの安定性と、理想とする弾道を実現するために避けては通れない、極めて重要な要素です。そして、その選択における最も信頼できる指標が、あなたの「ヘッドスピード」です。
なぜヘッドスピードが基準になるのでしょうか。それは、シャフトの「しなり」の量が、スイングのスピードによって大きく変わるからです。シャフトは、ダウンスイングの遠心力や切り返しの負荷によってしなり、そのしなりが元に戻る力を使ってボールを弾き飛ばします。この「しなり」と「しなり戻り」のタイミングが、スイングのリズムとぴったり合った時に、最大のエネルギー効率と安定したインパクトが生まれるのです。
自分の正確なヘッドスピードを知ることは、最適な硬さを見つけるための必須条件です。最近では多くのゴルフショップやインドア練習場に、無料で利用できるヘッドスピード計測器が設置されています。まずは一度、客観的な数値を把握することから始めましょう。それが、シャフト選びの迷宮から抜け出すための第一歩となります。
ヘッドスピード別のおすすめフレックス早見表

ユーティリティシャフトのフレックスを選ぶ際に、ドライバーのヘッドスピードを基にした一般的な推奨値を以下の早見表にまとめました。この表は、あなたのシャフト選びにおける出発点として非常に役立ちます。
ヘッドスピード (ドライバー) | 推奨フレックス | 特徴とワンポイントアドバイス |
---|---|---|
~ 38m/s | R (レギュラー) | シャフト全体が大きくしなり、非力なゴルファーでも楽にボールを上げてくれる。無理に振らず、シャフトのしなりを感じて振るのがコツ。 |
38m/s ~ 43m/s | SR (スティッフレギュラー) | 日本人アマチュア男性の平均的なゾーン。適度なしなり感と操作性のバランスが良く、多くのゴルファーにとって基準となる硬さ。 |
42m/s ~ 48m/s | S (スティッフ) | しっかりとした振り心地で、振れば振るだけ飛距離が伸びる感覚。パワーをロスなく伝えたい、ある程度振れるゴルファー向け。 |
45m/s 以上 | X (エキストラ スティッフ) | 非常に硬く、相当なパワーがないと しならせられない。左への引っ掛けを絶対に避けたいハードヒッター向けのスペック。 |
この表を利用する上での重要注意点
この表は、あくまで一般的な目安です。ゴルフシャフトのフレックス表記には、実は統一された工業規格が存在しません。そのため、同じ「S」フレックスでも、A社のシャフトは硬く感じ、B社のシャフトは柔らかく感じる、ということが日常的に起こります。
また、スイングの「テンポ」も重要な要素です。同じヘッドスピードでも、ゆったり振るタイプの人は少し柔らかめ、切り返しが速くシャープに振るタイプの人は少し硬めが合う傾向にあります。
したがって、この表で自分のゾーンを確認したら、必ずゴルフショップなどで実際に試打をして、自分の感覚とすり合わせる作業が不可欠です。スペック上の数値だけでなく、実際に振ってみて「気持ちよく振り切れるか」というフィーリングを最も大切にしてください。
中古品なら名器シャフトを安く試せるチャンス

ユーティリティ シャフト 80gを探す上で、「中古品」という選択肢は、賢いゴルファーにとって非常に大きなメリットをもたらします。新品のシャフトは時に数万円することもあり、気軽に試すにはハードルが高いですが、中古市場を覗けば、そのハードルをぐっと下げることができます。
GDO中古ゴルフクラブや楽天市場、Yahoo!オークションといったオンラインプラットフォームは、自宅にいながら膨大な数の中古シャフトを比較検討できるため非常に便利です。レビューや評価を参考にしながら、宝探し感覚であなただけの一本を見つけてみてください。
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「あるある…」と頷いているあなたへ。
実は問題の本質は、プロ個人よりも「あなたの目的」と「レッスンのスタイル」が合っていないことかもしれません。
80g台ユーティリティシャフトの組み合わせ|重量フローとQ&A

80g台のユーティリティシャフトという「点」の知識を深めたところで、次はその点をクラブセッティングという「線」で結びつけ、さらにはコース戦略という「面」で考える段階に進みます。最適な一本を選んだとしても、他のクラブとの連携、すなわち「組み合わせ」がうまくいっていなければ、その性能を100%引き出すことはできません。このセクションでは、具体的な人気アイアンシャフトとの相性や、多くのゴルファーが抱くであろう素朴な疑問について、一問一答形式で詳しく、そして分かりやすく解説していきます。
- 70g台はバランス型で幅広いゴルファーに対応
- 90g台はパワーヒッター向けの重量級モデル
- モーダス105に合うユーティリティシャフトは80gから90g台のシャフトが好相性
- モーダス120に合うユーティリティシャフトの使用者は90g台以上のシャフトがおすすめ
- アイアンのカーボンシャフト 80gとの理想的な重量フロー
- 5Wのシャフト 80gは重すぎ?フェアウェイウッドとの重量差をチェック
- 3番と4番のどちらを選ぶかは飛距離のギャップで決める
70g台はバランス型で幅広いゴルファーに対応

ユーティリティ シャフトの世界で80g台がひとつの基準だとすれば、70g台はそのすぐ隣にある、非常に魅力的な選択肢です。この重量帯は、飛距離性能と操作性のバランスに優れ、80g台よりもさらに幅広いゴルファー層にマッチする「万能型」と言えるでしょう。
70g台の注意点
ただし、この重量帯にも注意点はあります。ヘッドスピードが速いゴルファーや、パワーに自信があるゴルファーが使うと、インパクトで当たり負けしてしまったり、シャフトがしなりすぎてタイミングが合わず、打球が左右に散らばってしまう可能性があります。あくまで自分のスイングタイプと、クラブセッティング全体の流れの中で、最適なポジションにあるかどうかを見極めることが重要です。80g台を検討する際には、必ずこの70g台という選択肢も視野に入れておくと、より最適な一本に出会える確率が高まります。
90g台はパワーヒッター向けの重量級モデル

ユーティリティシャフトの90g台は、まさに「アスリート」や「ハードヒッター」のために存在するカテゴリーです。この重量帯を選択するということは、ユーティリティを単なる「楽なクラブ」としてではなく、アイアンのように積極的にコントロールし、ピンを攻めていくための「武器」として捉えている証拠と言えるでしょう。
どんなゴルファーに最適か?
90g台のシャフトは、特にアイアンにDynamic Gold S200(約129g)やN.S.PRO MODUS³ TOUR 120(約114g)といった重量級のスチールシャフトを使用しているゴルファーにとって、セッティングの流れを完璧にするための必須ピースです。80g台のシャフトでは「少し軽い」「インパクトで頼りない」と感じる方は、90g台を試すことで、これまで体験したことのないような重厚な打感と、弾道の安定性を手に入れることができるはずです。代表的なモデルには、グラファイトデザインの「Tour AD DI HYBRID」や、トゥルーテンパーの「AMT Tour White」などがあります。
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モーダス105に合うユーティリティシャフトは80gから90g台のシャフトが好相性

アイアンシャフト市場で、その絶大な人気と信頼性から一つの基準となっている「N.S.PRO MODUS³ TOUR 105」(Sフレックスで106.5g)。もしあなたのアイアンにこのシャフトが装着されているなら、ユーティリティシャフトの選択肢はかなり明確になります。重量フローの黄金律に従えば、80g台から90g台のシャフトが、最高の相性を見せるゴールデンゾーンです。
モーダス105の持ち味は、プロが求めるしっかりとした振り心地と、スイングに忠実に反応する高い操作性です。このフィーリングをユーティリティでも損なわないことが、セッティングを成功させるための重要な鍵となります。
あなたのプレースタイルや、ユーティリティに何を求めるかによって、80g台と90g台のどちらを選ぶかを決めると良いでしょう。
モーダス120に合うユーティリティシャフトの使用者は90g台以上のシャフトがおすすめ

「N.S.PRO MODUS³ TOUR 120」(Sフレックスで114g)は、その名の通りツアープロからの要求に応えるべく開発された、重量感と粘り感のあるシャフトです。このシャフトをアイアンで使いこなしているゴルファーがユーティリティシャフトを選ぶ際に、80g台を選択してしまうと、セッティングに大きな「落とし穴」が生まれてしまいます。
114gのアイアンシャフトから、いきなり80g台のユーティリティに持ち替えると、その重量差は約30g。これはあまりにも軽すぎ、スイング中にヘッドがどこにあるか分からなくなったり、力んで引っかけてしまったりと、タイミングが全く合わなくなる危険性が非常に高いのです。
したがって、モーダス120ユーザーにとっての最適解は、90g台以上の重量級ユーティリティシャフトを選ぶことです。これにより、重量のあるアイアンから持ち替えた際の違和感を最小限に抑え、ユーティリティでもアイアンと同じように、体重を乗せてしっかりとボールを叩きにいく安定したスイングが可能になります。
モーダス120というパワフルなエンジンを積んでいるあなたには、それに負けない頑強な足回りを持つ90g台以上のユーティリティシャフトが、最高のパフォーマンスを引き出してくれるはずです。
アイアンのカーボンシャフト 80gとの理想的な重量フロー

もしあなたのアイアンセットに、カーボンシャフト 80gが装着されている場合、ユーティリティのシャフト選びは、これまで解説してきたスチールシャフトを基準にする考え方とは、少しアプローチを変える必要があります。このセッティングの場合、ユーティリティは「アイアンからの流れ」よりも、「フェアウェイウッドからの流れ」をより強く意識することが、理想的な重量フローを構築する鍵となります。
なぜ考え方を変えるのか?
アイアンに80g台のカーボンシャフトを選択するゴルファーは、シニア層や、パワーよりもテクニックで勝負するタイプのプレーヤーが多く、クラブセット全体を軽量に仕上げたいという意図があります。そのセッティングは、一般的に「ドライバー(50g台) → フェアウェイウッド(60g台)」という流れになっているケースがほとんどです。
この流れの中にユーティリティを組み込むことを考えると、もしユーティリティにもアイアンと同じ80g台のシャフトを入れてしまうと、「FW(60g台) → UT(80g台) → アイアン(80g台)」となり、アイアンとの重量差がなくなってしまいます。クラブが短くなっているにも関わらず重量が同じだと、スイングした際にアイアンよりもユーティリティの方が重く感じてしまい、振り心地に違和感が生まれる原因となります。
理想的な選択肢は「70g台」
そこで、このセッティングにおける理想的な答えは、ユーティリティに70g台のシャフトを選択することです。
これにより、「FW(60g台) → UT(70g台) → アイアン(80g台)」という、約10gずつの非常に美しく、スムーズな重量の階段が完成します。このセッティングであれば、どのクラブに持ち替えても振り心地が大きく変わることがなく、一貫したスイングリズムを保つことが可能になります。アイアンが軽量カーボンの場合は、ユーティリティは「アイアンより軽く」ではなく、「フェアウェイウッドより少し重く」と考えるのが正解です。
5Wのシャフト 80gは重すぎ?フェアウェイウッドとの重量差をチェック

5Wのシャフトに80g台を使用している、というセッティングは、かなりのハードヒッターか、あるいはフェアウェイウッドでもコントロール性を非常に重視する上級者のものであると推察されます。この場合、ユーティリティにどの重量帯を組み合わせるべきか、という問いは、あなたのゴルフスタイルをさらに洗練させるための重要なパズルとなります。
セオリーに基づくなら「90g台」
これまで繰り返し述べてきた重量フローの原則に厳密に従うならば、フェアウェイウッド(FW)とユーティリティ(UT)のシャフト重量は、10g程度の差をつけるのが理想です。したがって、5W シャフト 80gを使用しているのであれば、ユーティリティには90g台のシャフトを組み合わせるのが、セオリー通りの完璧な重量フローとなります。5Wよりもシャフトが短く、ライ角もアップライトなUTに、より重いシャフトを装着することで、FWでは難しい狭いエリアへの正確なティーショットや、グリーンを直接狙うショットでのコントロール性能が格段に向上するはずです。
あえて「同じ80g台」を選ぶという選択肢
ただし、セオリーが全てではありません。一部のプロや上級者の中には、あえてFWとUTに同じ重量帯のシャフトを入れるセッティングを好む人もいます。これは、特定の距離を打つクラブとして、FWとUTのフィーリングを極限まで近づけたいという意図がある場合です。例えば、「長いパー3で使う2番UTと、パー5の2打目で使う5Wの振り心地を同じにしたい」といった明確な目的があれば、同じ80g台で揃えることも戦略の一つとなり得ます。
しかし、このセッティングは非常に繊細な感覚が求められるため、多くのアマチュアゴルファーにとっては、クラブが短くなるUTの方が重く感じ、振りにくさ繋がる可能性が高いです。基本的には、FWよりもUTを10g程度重くするというセオリーに従う方が、失敗のリスクは少ないでしょう。
3番と4番のどちらを選ぶかは飛距離のギャップで決める

ユーティリティのセッティングにおいて、シャフト選びと並んでゴルファーを悩ませるのが、「3番と4番、どちらを入れるべきか?」という番手選択の問題です。この選択は、単に好みで決めるのではなく、あなたのクラブセット全体の「飛距離の階段」をいかに隙間なく、そしてスムーズに構築するかという、極めて戦略的な視点から決めるべきです。
あなたの「空白地帯」はどこにあるか?
まずやるべきことは、あなたのキャディバッグの中にある「飛距離のギャップ」、すなわち「空白地帯」を見つけ出すことです。具体的には、あなたが持っている一番長いアイアン(多くの場合は5番アイアン)が安定して打てる最大飛距離と、一番短いフェアウェイウッド(多くの場合は5番ウッドや7番ウッド)の平均飛距離を正確に把握します。その間の距離こそ、ユーティリティが埋めるべき役割なのです。
番手 | 一般的なロフト角 | 主な役割と飛距離(アマチュア男性) | こんな人におすすめ |
---|---|---|---|
3番UT | 18°~21° | 5番ウッドの代わり。190~210ヤードを狙う。 | 5番ウッドが苦手。長いパー4やパー5の2打目で飛距離を稼ぎたい。 |
4番UT | 20°~24° | 4番アイアンの代わり。180~200ヤードを安定して狙う。 | ロングアイアンに苦手意識がある。距離のあるパー3でグリーンを確実に捉えたい。 |
重要なのは、番手の数字に惑わされるのではなく、ロフト角と、それによって生まれる実際の飛距離で判断することです。メーカーによって同じ番手でもロフト角は異なります。あなたの飛距離の階段を最も綺麗に整えてくれる一本を選びましょう。
総括:ユーティリティのシャフトで80g台を選ぶポイント

この記事を通じて、ユーティリティのシャフト選び、特に80g台という重要な重量帯についての理解が深まったことと思います。最後に、あなたが最適な一本を見つけるための重要なポイントをまとめます。
この記事が、あなたのシャフト選びの旅の確かな道しるべとなれば幸いです。さあ、まずはご自身のアイアンシャフトの重量を調べることから始めて、理想のクラブセッティングへの第一歩を踏み出しましょう。
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