「ユーティリティーは何本入れたらいいんだろう?」「番手やロフト角はどう選べば、飛距離が被らずに済むの?」ゴルフのクラブセッティングにおいて、多くのゴルファーが抱えるこの悩みを解決します。ロングアイアンの難しさから解放され、スコアアップの強力な武器となるユーティリティーですが、その本数や選び方を間違えると宝の持ち腐れになりかねません。
特に、2本セッティングや3本セッティング、フェアウェイウッドとの使い分け(7Wと4U、3Uと5Wなど)については、明確な基準が欲しいところですよね。
結論から言うと、あなたに最適なユーティリティーの本数は、現在使っているアイアンセットの構成と、あなたが克服したい苦手な距離によって決まります。難しいロングアイアンを楽に打ちたい、スコアメイクを安定させたいという潜在的なニーズに応えるためには、番手の数字に惑わされず、ロフト角の流れを意識することが何よりも重要です。
この記事を最後まで読めば、初心者から上級者まで、自分だけの「最強セッティング」を組むための具体的な知識が手に入り、次のラウンドから自信を持ってプレーできるようになります。
- ユーティリティーの最適本数はアイアンセットを基準に1〜3本が基本
- 初心者はまず4番ユーティリティー(22度)を1本だけ入れるのがおすすめ
- 番手ではなくロフト角で選び、飛距離の階段を作ることが重要
- フェアウェイウッドとユーティリティーは、やさしさや操作性で使い分ける
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実は、上達しない一番の原因は「プロの質」より「あなたとの相性」かもしれません。
遠回りしないために、まずは自分に合う環境を知ることが大切です。
ユーティリティーは何本が正解?レベル別おすすめセッティング

ゴルファーにとって「ユーティリティーを何本入れるか」は、スコアに直結する永遠のテーマです。ここでは、あなたのスキルレベルや目的に合わせた最適な本数とセッティングの考え方を、具体的なパターン別に徹底解説します。
- まずは1本だけなら22度が万能でおすすめ
- 苦手克服のための1本セッティング術
- 2本セッティングで10ヤード刻みの飛距離の階段を作る
- アイアンが苦手なら3本セッティングが有効
- ウッド嫌いを克服する積極的な4本セッティング
- 何番がおすすめ?初心者は4U(22度)が最適
- 番手の数字よりロフト角で選ぶのが正解
- 3番と4番はどっち?HS40m/s以下なら4番が◎
- 6番は必要?ストロングロフトのアイアンなら効果大
まずは1本だけなら22度が万能でおすすめ

この画像のように、まず1本だけ試してみたいという方には、ロフト角22度前後のユーティリティー(4番UT/4U)が最適です。なぜなら、このロフト角は多くのアマチュアゴルファーにとって、ボールの上がりやすさと飛距離のバランスが最も良い「黄金スペック」だからです。
ヘッドスピードがそれほど速くないゴルファーでも、22度のロフトがあれば楽にボールを高く打ち出すことができます。それにより、キャリーで飛距離を稼ぎ、グリーン上でもボールを止めやすくなるのです。一般的に、180ヤード前後の距離をやさしく打ちたい場合に、このクラブは絶大な効果を発揮します。
例えば、5番アイアンまではセッティングに入れているけれど、その上の距離を打つクラブがない、あるいはフェアウェイウッドが苦手というゴルファーにはまさにうってつけの1本です。長いパー3のティーショットや、パー5のセカンドショットなど、様々な場面で活躍してくれる頼れる相棒になるでしょう。もしあなたがユーティリティーの導入で迷っているなら、まずはこの22度の万能クラブから始めてみることを強くおすすめします。
苦手克服のための1本セッティング術

ユーティリティーは、クラブセット全体を一度に変える必要はなく、まずは苦手なクラブを1本だけ入れ替える「苦手克服」のために使うのが非常に効果的です。多くのゴルファーにとって、3番、4番、5番といったロングアイアンは、芯に当てるのが難しく、ミスショットの確率が高いクラブではないでしょうか。
その「最も自信がない1本」を、同じくらいの飛距離が出るユーティリティーに差し替えてみましょう。例えば、どうしても4番アイアンでミスが多いなら、ロフト角22度前後のユーティリティーを試してみてください。アイアンに比べてヘッドが大きく重心が深いため、明らかにボールが上がりやすく、トップやダフリといったミスにも強くなります。
この「1本だけ交換」セッティングの最大のメリットは、精神的なプレッシャーが大幅に軽減されることです。今まで「打ちたくないな…」と思っていた距離が、「ユーティリティーがあるから大丈夫」という安心感に変わります。たった1本のクラブを替えるだけで、苦手だった距離やシチュエーションが得意に変わる可能性を秘めているのです。あなたのゴルフをよりシンプルでやさしいものにする第一歩として、このセッティング術を試してみてはいかがでしょうか。
2本セッティングで10ヤード刻みの飛距離の階段を作る

ユーティリティーを2本セッティングにすることで、コース戦略の幅は格段に広がります。重要なのは、飛距離が被らないように、適切な間隔でロフト角を選ぶことです。この2本のクラブで、10〜15ヤード刻みのきれいな「飛距離の階段」を作ることができれば、様々な距離に正確に対応できるようになります。
理想的なロフト角の間隔は、3度から4度です。例えば、ロフト角21度(4U)と24度(5U)の組み合わせが一般的です。これにより、21度のクラブで約180〜190ヤード、24度のクラブで約170〜180ヤードといったように、明確な飛距離の打ち分けが可能になります。5番アイアンの上からフェアウェイウッドの下までの距離を、この2本でしっかりと埋めることができるのです。
このセッティングのメリットは、苦手なロングアイアンを2本抜くことができる点にあります。その結果、セカンドショット以降のクラブ選択に迷いがなくなり、精神的にも楽にプレーを進められます。170ヤードから190ヤードの距離に苦手意識があるゴルファーにとって、この2本セッティングはスコアメイクを劇的に安定させるための最善策と言えるでしょう。
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アイアンが苦手なら3本セッティングが有効

もしあなたが「ロングアイアンだけでなく、ミドルアイアンも少し苦手…」と感じているなら、思い切って3本のユーティリティーをセッティングに加えることを検討しましょう。このセッティングは、特にアイアンでのミスを減らし、安定性を最優先したいゴルファーにとって非常に有効な戦略です。
3本セッティングの場合、ロフト角21度、24度、27度前後で揃えるのが一般的です。これは、従来の3番、4番、5番アイアンが担っていた飛距離を、すべてやさしいユーティリティーでカバーするという考え方です。これにより、約160ヤードから190ヤードまでの距離を、自信を持ってグリーンを狙えるクラブで打ち分けることが可能になります。
特に、6番アイアンから下の番手でアイアンセットを組んでいるゴルファーには最適な組み合わせです。ボールが上がりにくい、ダフリやトップが多いといったアイアンの悩みを根本的に解決し、パーオン率の向上に大きく貢献します。難しいことを避け、ゴルフをシンプルに楽しみたいと考えるなら、このユーティリティー3本体制はあなたのゴルフを大きく変えるきっかけになるはずです。
ウッド嫌いを克服する積極的な4本セッティング

フェアウェイウッド(FW)がどうしても上手く打てない、というゴルファーは少なくありません。そんな「ウッド嫌い」のゴルファーにおすすめしたいのが、ユーティリティーを4本以上入れるという積極的なセッティングです。これは、フェアウェイウッドが担う飛距離までをも、操作性の高いユーティリティーでカバーしてしまおうという戦略です。
フェアウェイウッドはシャフトが長く、ボールを正確にミートするのが難しいと感じる人が多いクラブです。一方、ユーティリティーはシャフトが短く、アイアンに近い感覚で振り抜けるため、ミート率が格段に上がります。飛距離性能ではFWに一歩譲るかもしれませんが、安定して前に飛ばせる確率を考えれば、スコアメイクの観点からは非常に合理的です。
例えば、ロフト角19度、22度、25度、28度といった4本を揃えれば、5番ウッドの代わりから7番アイアンの代わりまでの広い範囲をカバーできます。アマチュアゴルファーにとって、難しいクラブを無理に使う必要はありません。自分の弱点を補い、得意なクラブで勝負する。このユーティリティー4本体制は、そのための究極のセッティングと言えるかもしれません。
何番がおすすめ?初心者は4U(22度)が最適

ユーティリティーを初めて購入する初心者が「何番がおすすめですか?」と聞かれたら、多くの専門家は迷わず「4番ユーティリティー(4U)」と答えるでしょう。その理由は、ロフト角22度前後に設定されているこのクラブが、最も汎用性が高く、初心者がつまずきやすいポイントをカバーしてくれるからです。
初心者の多くは、ボールを高く上げることに苦労します。4Uは適度なロフト角があるため、払い打つようにスイングするだけで、自然とボールが上がってくれます。また、ヘッドが大きく重心も低く深いため、多少芯を外しても飛距離のロスが少なく、大きなミスになりにくいというメリットもあります。
飛距離としては、170〜180ヤード前後を狙うクラブになります。これは、多くのゴルフ場でパー4のセカンドショットや、少し長めのパー3で使う機会が非常に多い距離です。つまり、コースですぐに役立つ1本なのです。難しいロングアイアンやフェアウェイウッドに挑戦する前に、まずはこのやさしい4Uをマスターすることが、スコアアップへの一番の近道と言えるでしょう。
番手の数字よりロフト角で選ぶのが正解

ユーティリティー選びで最も重要なことは、クラブに書かれている「3」「4」「5」といった番手の数字ではなく、ソールに刻印されている「ロフト角」で選ぶことです。なぜなら、ユーティリティーの番手とロフト角の関係は、メーカーによって基準がバラバラだからです。
例えば、A社の4番ユーティリティーはロフト角22度でも、B社の4番は21度、C社の5番が22度というケースも珍しくありません。もし番手だけで選んでしまうと、「新しく買った4番が、今まで使っていた5番アイアンと飛距離がほとんど変わらなかった」といった失敗が起こり得ます。
そうした失敗を避けるために、必ずロフト角を確認し、自分が持っている他のクラブとの「流れ」を意識してください。基本は、一番長いフェアウェイウッドよりもロフト角が3〜4度大きく、一番長いアイアンよりも3〜4度小さいものを選ぶことです。これにより、クラブとクラブの間の飛距離がぽっかり空いてしまう「ギャップ」や、飛距離が被ってしまう「重複」を防ぎ、理想的な飛距離の階段を作ることができるのです。
3番と4番はどっち?HS40m/s以下なら4番が◎

3番ユーティリティー(3U/ロフト19度前後)と4番ユーティリティー(4U/ロフト22度前後)のどちらを選ぶかは、多くのゴルファーが悩むポイントです。この選択の大きな判断基準となるのが、ドライバーのヘッドスピードです。結論から言うと、ヘッドスピードが40m/sに満たないゴルファーは、4番ユーティリティーを選ぶ方が賢明です。
3Uはロフトが立っているため、ボールを高く上げるにはある程度のパワー、つまりヘッドスピードが必要になります。ヘッドスピードが不足していると、ボールが十分に上がらず、ドロップするような低い弾道になりがちです。その結果、キャリーが出ずに飛距離をロスしてしまい、「4Uの方が飛んだ」ということにもなりかねません。
一方、4Uはロフトが3度ほど寝ているため、楽にボールを上げることができます。安定して高さを出し、キャリーで飛距離を稼げるため、結果的に3Uよりも飛んで、グリーンでも止まりやすいというメリットがあります。自分のパワーに合った、やさしく扱えるクラブを選ぶことがスコアアップの鍵です。
6番は必要?ストロングロフトのアイアンなら効果大

「6番アイアンの代わりにユーティリティーを入れるなんて」と考える方もいるかもしれませんが、現代のゴルフクラブ事情においては、6番ユーティリティー(6U)は非常に有効な選択肢です。特に、最近主流の「飛び系」と呼ばれるストロングロフトのアイアンセットを使っているゴルファーには、大きなメリットがあります。
ストロングロフトのアイアンは、同じ番手でも飛距離が出るようにロフト角が立って設計されています。その副作用として、ボールが上がりにくく、グリーンに直接落ちてもスピンがかからずに奥にこぼれてしまう、という現象が起きやすくなります。6番アイアンで170ヤード飛んでも、グリーンで止まらなければ意味がありません。
そこで活躍するのが、ロフト角27度前後に設定された6Uです。アイアンよりも高弾道を打ちやすく、上からグリーンを狙ってもしっかりとボールを止めることができます。球が上がらない、アイアンでグリーンを狙うのが苦手、という悩みを持つゴルファーにとって、6Uはスコアメイクを劇的に改善してくれる秘密兵器となり得るのです。

「あるある…」と頷いているあなたへ。
実は問題の本質は、プロ個人よりも「あなたの目的」と「レッスンのスタイル」が合っていないことかもしれません。
ユーティリティーは何本入れる?飛距離とFW比較で悩み解決

ユーティリティーをセッティングに組み込む上で欠かせないのが、飛距離の把握と、性能が似ているフェアウェイウッドとの比較です。このセクションでは、データに基づいた客観的な視点から、あなたのクラブ選びの悩みを解決します。
- 番手ごとの飛距離の目安一覧表
- 21度が難しい原因はヘッドスピード不足かも
- 7Wと4Uはどっちが打ちやすい?やさしさ重視なら7Wが有利
- 3Uと5Wはどっちが飛ぶ?飛距離性能なら5Wが勝る
番手ごとの飛距離の目安一覧表

この画像のように、各クラブでどれくらいの距離を打てるのかを把握することは、クラブセッティングの基本です。以下に、一般的なアマチュア男性ゴルファーのヘッドスピード別に、ユーティリティーの番手・ロフト角ごとの飛距離の目安をまとめました。ご自身の飛距離と照らし合わせ、クラブ選びの参考にしてください。
番手 | ロフト角(目安) | HS 38m/s | HS 40m/s | HS 43m/s |
---|---|---|---|---|
3U | 19° | 175ヤード | 190ヤード | 205ヤード |
4U | 22° | 165ヤード | 180ヤード | 195ヤード |
5U | 25° | 155ヤード | 170ヤード | 185ヤード |
6U | 28° | 145ヤード | 160ヤード | 175ヤード |
この表からわかるように、同じクラブでもヘッドスピードによって飛距離は大きく変わります。重要なのは、自分の飛距離を基準に、隣り合うクラブとの飛距離差が10〜15ヤード程度になるようにセッティングを組むことです。この「飛距離の階段」ができていれば、コースで距離が残った際にクラブ選択で迷うことが少なくなります。
21度が難しい原因はヘッドスピード不足かも

ロフト角21度前後のユーティリティー(3Uや4U)は、多くのセッティングで中心的な役割を担いますが、「どうも上手く打てない」「ボールが上がらない」と感じるゴルファーも少なくありません。その主な原因は、クラブの性能を十分に引き出すためのヘッドスピードが不足している可能性が高いです。
ロフトが立っているクラブは、ボールを高く打ち出すためにより多くのエネルギーを必要とします。ヘッドスピードが足りないと、インパクトで十分なバックスピン量と打ち出し角を得られず、結果としてドロップするような低い弾道になってしまいます。これでは、本来そのクラブが持つ飛距離性能を発揮することはできません。
もしあなたが21度のユーティリティーを難しいと感じるなら、無理に使い続ける必要はありません。解決策は2つあります。一つは、よりロフトが寝ている24度前後のユーティリティーに替えること。もう一つは、今使っているクラブのシャフトを、より軽量でしなりを感じやすいモデルにリシャフトすることです。自分に合ったスペックのクラブを選ぶことが、ナイスショットへの一番の近道です。
7Wと4Uはどっちが打ちやすい?やさしさ重視なら7Wが有利

ロフト角がほぼ同じ(約21〜22度)である7番ウッド(7W)と4番ユーティリティー(4U)は、どちらをセッティングに入れるべきか多くのゴルファーが悩む永遠のテーマです。結論から言うと、ミスへの強さとボールの上がりやすさ、つまり「やさしさ」を最優先するなら7Wに軍配が上がります。
比較項目 | 7番ウッド (7W) | 4番ユーティリティー (4U) |
---|---|---|
ヘッド形状 | 大きく、シャロー(薄い) | やや小ぶりで、アイアンに近い |
重心 | 深く、低い | 7Wよりは浅い |
シャフト長 | やや長い | やや短い |
弾道 | 高弾道でキャリーが出やすい | 中弾道で風に強い |
得意なライ | フェアウェイなど良いライ | ラフや傾斜地にも強い |
打ちやすさ | 払い打つイメージ | 打ち込むイメージ |
この表が示すように、7Wはヘッドが大きく重心が深いため、芯を外した際の飛距離ロスが少なく、ボールを楽に高く上げてくれます。一方、4Uはシャフトが短く操作性に優れ、ラフからのショットなど、より多様な状況に対応しやすいのが特徴です。どちらが良い悪いではなく、自分のスイングタイプや、どんな状況で使いたいかを考えて選ぶことが重要です。
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3Uと5Wはどっちが飛ぶ?飛距離性能なら5Wが勝る

ロフト角18〜19度前後で競合する5番ウッド(5W)と3番ユーティリティー(3U)。純粋な最大飛距離を求めるのであれば、多くの場合で5Wの方が3Uを上回ります。その主な理由は、5Wの方がシャフトが長く、その分ヘッドスピードを上げやすいからです。
ただし、これはあくまで両方のクラブを芯で捉えられた場合の比較です。5Wはシャフトが長い分、ミートするのが難しいと感じるゴルファーも多いでしょう。いくら最大飛距離が優れていても、ミスショットの確率が高ければ意味がありません。
一方、3Uはシャフトが短く、アイアン感覚でコントロールしやすいため、安定して飛距離を稼ぐことができます。狭いホールのティーショットや、正確性が求められるセカンドショットでは、5Wよりも3Uの方が頼りになる場面も多いはずです。単純な飛距離性能だけでなく、自分のミート率や得意なスイングタイプを考慮して、より安定して結果を出せるクラブを選ぶことが賢明な判断と言えるでしょう。
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総括:あなたのゴルフに合うユーティリティーは何本?

この記事で解説してきたポイントをまとめます。あなたに最適なユーティリティーセッティングを見つけるための参考にしてください。
この記事を参考に、あなたのキャディバッグをもう一度見直してみてはいかがでしょうか。最適なユーティリティーセッティングで、次のラウンドに臨み、自己ベスト更新を目指してください。