この記事では、ゴルフクラブのルール、特に2010年に導入された新溝ルールによって不適合となる可能性のあるアイアンについて、具体的なモデルリストを交えながら詳しく解説します。自分の持っているクラブが試合で使えるのか、これから中古で買うクラブは大丈夫なのか、といった疑問は多くのゴルファーが抱える不安ではないでしょうか。公式な確認方法が分からなかったり、どのモデルが対象なのか曖昧だったりすると、安心してプレーに集中できません。
本記事を読めば、ゴルフのルールを統括するR&Aの公式データベースを使った最も確実な確認方法から、キャロウェイ、ミズノ、テーラーメイドといった主要メーカーの適合情報まで、その全てが分かります。結論として、正しい知識と確認手順を知ることで、あなたのクラブに関する不安は解消できます。さらに、ルール不適合クラブを使った場合のペナルティや、アイアンの寿命といったゴルファーなら知っておきたい関連知識もQ&A形式で網羅。この記事一つで、クラブのルールに関する悩みを解決し、自信を持ってゴルフを楽しめるようになります。
- ルール不適合アイアンを自分で確認する具体的な方法がわかる
- キャロウェイやミズノなど主要メーカーの適合・不適合モデルがわかる
- 新溝ルールの目的や不適合クラブ使用時の罰則がわかる
- アイアンの寿命や番手選びなど、関連する疑問も解決できる
メーカー別ルール不適合アイアンリストと公式確認方法

このセクションでは、お使いのアイアンがルールに適合しているかを確認するための具体的な方法と、主要メーカー別のルール不適合アイアンリストについて詳しく解説します。最も信頼性の高い公式データベースの活用法から、各メーカーが公開している情報まで、これを読めばご自身のクラブの適合性を正確に把握できます。
- ゴルフクラブの適合リストを確認する公式な方法
- R&A公式データベースでの最新適合リスト情報の調べ方
- R&A適合アイアンをモデル名で検索する手順
- キャロウェイの溝規制対象モデル
- キャロウェイ新溝ルール適合クラブ一覧
- ミズノが公開する溝規制モデル一覧
- テーラーメイドの溝規制対象モデル
- 主要メーカーの新溝ルール適合モデルを紹介
- 注意すべき適合外アイアンの代表的なモデル
- 激スピンウェッジの多くが不適合になる理由
ゴルフクラブの適合リストを確認する公式な方法

ゴルフクラブのルール適合性を確認するための最も確実で公式な方法は、主に2つあります。これらの方法を使えば、インターネット上の不確かな情報に惑わされることなく、ご自身のクラブが競技で使用可能かどうかを正確に判断できます。
第一の方法は、ゴルフのルールを世界的に統括する機関である「R&A(英国ゴルフ協会)」および「USGA(全米ゴルフ協会)」が共同で管理・公開している公式データベースを利用することです。このデータベースには、世界中のメーカーから申請されたクラブがテストされ、その結果が登録されています。これが最も権威のある情報源と言えるでしょう。
第二の方法は、ゴルフクラブの各メーカーが自社の公式ウェブサイトで公開している適合リストを確認することです。特に2010年の新溝ルール導入前後には、多くのメーカーが自社製品の適合・不適合情報をリスト化して公開しました。日本ゴルフ協会も、これらの公式情報を参照することを推奨しています。特定のメーカーのクラブについて調べたい場合は、この方法が手軽で分かりやすいでしょう。
どちらの方法も、正確なモデル名が分かっていれば誰でも簡単に調べることが可能です。次の項目では、より具体的で汎用性の高いR&Aのデータベースを使った確認方法を詳しく解説します。
R&A公式データベースでの最新適合リスト情報の調べ方

R&Aが公開している公式データベースは、アイアンやウェッジの溝が2010年の新ルールに適合しているかを確認するための最も信頼できるツールです。このデータベースは「Informational Club Database」と呼ばれ、誰でも無料でアクセスできます。最新の適合リスト情報を調べるには、このデータベースを正しく利用することが重要です。
まず、R&Aの公式サイトにアクセスし、用具(Equipment)に関するセクションを探します。そこから「Informational Club Database」へのリンクを見つけてください。このデータベースは英語で提供されていますが、操作は非常にシンプルです。
データベースのページにアクセスすると、クラブを検索するためのいくつかのフィルターや検索窓が表示されます。ここで重要なのは、「メーカー名(Manufacturer)」と「モデル名(Model)」です。ご自身が確認したいクラブの正確なメーカー名とモデル名を入力することで、膨大なリストの中から目的のクラブを絞り込むことができます。
このデータベースは定期的に更新されており、新しいモデルが発売されると追加されていきます。そのため、中古ショップで古いモデルを購入する際だけでなく、最新モデルの適合性を確認する上でも非常に役立ちます。次の項目では、実際にモデル名を入力して検索し、結果をどう読み解けば良いのか、具体的な手順を解説します。
R&A適合アイアンをモデル名で検索する手順

R&Aの公式データベースで適合アイアンを検索する手順は簡単です。以下のステップに従えば、誰でも迷うことなくクラブの適合性を確認できます。
- データベースへアクセス: R&A公式サイトから「Informational Club Database」を開きます。
- メーカー名の入力: 「Manufacturer」の欄に、確認したいクラブのメーカー名(例: Callaway, Mizuno, TaylorMade)を英語で入力します。ドロップダウンリストから選択することも可能です。
- モデル名の入力: 「Model」の欄に、クラブの正確なモデル名(例: X Forged, MP-68)を入力します。部分一致でも検索可能ですが、できるだけ正確に入力することで結果を絞り込めます。
- 検索実行: 入力が完了したら、検索ボタンをクリックします。
- 結果の確認: 検索結果が表示されたら、該当するモデル名の右側にある項目を確認します。ここで最も重要なのが「Meets 2010 Groove Specs」という列です。
この「Meets 2010 Groove Specs」の表示には3つのパターンがあり、それぞれ意味が異なります。
表示 | 意味 |
---|---|
Yes | 2010年の新溝ルールに適合しています。競技での使用に問題ありません。 |
No | 2010年の新溝ルールに適合していません。新溝ルールを競技条件とする試合では使用できません。 |
ATR | 「Additional Testing Required(追加テストが必要)」の略。製造上の個体差により適合・不適合が混在している可能性があるモデルです。競技で使用する場合は注意が必要です。 |
この手順で「Yes」と表示されていれば、そのアイアンは新溝ルールに適合していると判断できます。中古クラブの購入前など、必ずこのデータベースで確認する癖をつけると良いでしょう。
>>R&Aの公式データベース(Informational Club Database)を公式サイトで確認する
キャロウェイの溝規制対象モデル

キャロウェイは数多くの名器を世に送り出してきましたが、2010年の新溝ルール導入により、特にその前後に発売された一部のモデルが溝規制の対象となりました。特に、高いスピン性能で人気を博した軟鉄鍛造アイアンやウェッジに、ルール不適合となるモデルが多く見られます。
キャロウェイの溝規制対象モデルとして特に有名なのが、「X FORGED」シリーズや「X TOUR」アイアンの初期モデルです。これらのモデルは、シャープな形状と打感の良さ、そして何より強烈なスピン性能で多くの上級者やプロに愛用されました。しかし、そのスピン性能を生み出していた角溝(U字溝)が、新溝ルールの規制対象となったのです。
具体的に不適合となる可能性が高い代表的なモデルは以下の通りです。
ただし、同じモデル名でも発売年や仕様(日本仕様かUS仕様か)によって溝の形状が異なる場合があります。例えば、「X FORGED」でも2013年モデル以降は新溝ルールに適合しています。そのため、「X FORGEDだから不適合」と一括りにするのではなく、必ず年式を確認し、前述のR&Aデータベースで個別にチェックすることが非常に重要です。
Amazonは即納で安心。楽天はポイント狙いにおすすめ。

キャロウェイ新溝ルール適合クラブ一覧

キャロウェイは、2010年の新溝ルール適用以降、全ての新しいモデルをルールに適合させています。したがって、2010年以降に発表されたモデルであれば、基本的には安心して使用することができます。特に近年のAPEXシリーズやROGUEシリーズなどは、ルール適合でありながら高いパフォーマンスを発揮する人気モデルです。
新溝ルールに適合している代表的なキャロウェイのアイアンシリーズを以下に示します。
- APEX シリーズ (全モデル): APEX PRO, APEX DCB, APEX TCBなど、2013年の初代モデルから全てのモデルがルールに適合しています。
- ROGUE シリーズ (全モデル): ROGUE ST, ROGUE ST MAX, ROGUE ST PROなど、全てのモデルがルールに適合しています。
- MAVRIK シリーズ (全モデル)
- EPIC シリーズ (全モデル)
- X FORGED シリーズ (2013年モデル以降): X FORGED CB, X FORGED STARなど、新しいモデルは全て適合品です。
- JAWS ウェッジ (JAWS RAW, JAWS FORGEDなど): 初代以降のモデルは全て新溝ルールに適合した設計になっています。
これらのリストはあくまで一部です。基本的には、2010年以降に新品として発売されたキャロウェイのアイアンやウェッジは、すべて新溝ルールに適合していると考えて問題ありません。
中古でクラブを探す際に年式が不明な場合や、古いモデルかどうかの判断に迷う場合は、クラブヘッドのソールデザインやフェース面の刻印などを参考に、R&Aのデータベースで最終確認を行うのが最も確実な方法です。安心して長く使える一本を見つけるためにも、この確認作業を怠らないようにしましょう。
ミズノが公開する溝規制モデル一覧

ミズノは、ゴルファーが安心してクラブを選べるよう、自社の公式ウェブサイト上で2010年の新溝ルールに関する適合・不適合モデルの情報を詳細に公開しています。これはユーザーにとって非常に親切な対応であり、ミズノのクラブを使用している、あるいは購入を検討している方にとっては最も信頼できる情報源です。
ミズノのウェブサイトでは、特に人気の高い「MP」シリーズや、アベレージゴルファー向けの「JPX」「MX」シリーズなど、2010年以前に発売された主要なモデルについて、適合しているかどうかが一覧表で分かりやすくまとめられています。
ミズノが公開しているリストから、ルール不適合となる代表的なモデルをいくつか抜粋します。
シリーズ | 不適合モデル(一例) |
---|---|
MPシリーズ | MP-27, MP-30, MP-33, MP-37 |
MXシリーズ | MX-20, MX-23, MX-25 |
Tシリーズ ウェッジ | 05′ MP T Series, MP T-101 |
その他 | Notus、T-ZOID Comp シリーズの一部 |
この表からもわかるように、特に2000年代中盤までに発売されたモデルの多くが不適合となっています。一方で、MP-57やMP-68といった2000年代後半のモデルは、ルール改正を見越して適合する設計になっているものもあります。
ミズノのクラブをお持ちの方は、まずミズノ公式サイトのリストを確認することをおすすめします。もしリストに掲載されていない古いモデルや、判断に迷う場合は、R&Aのデータベースと併用して確認するとより確実です。
テーラーメイドの溝規制対象モデル

テーラーメイドも、2010年の新溝ルール導入以前に発売されたモデルの中に、現在のルールでは不適合となるものが存在します。特に、操作性とスピン性能を重視したアスリート向けモデルにその傾向が見られます。
テーラーメイドの溝規制対象モデルとして、まず挙げられるのが「rac」シリーズや初期の「r7」シリーズのフォージドアイアンです。これらのモデルは、シャープなヘッド形状と優れた打感で人気を博しましたが、スピン性能を高めるための溝が規制の対象となりました。
ルール不適合の可能性がある代表的なテーラーメイドのモデルは以下の通りです。
これらのモデルは、中古市場でも時折見かけることがあるため、購入を検討する際には特に注意が必要です。デザインが気に入って購入したものの、競技では使用できなかったという事態を避けるためにも、事前の確認が不可欠です。
キャロウェイやミズノと同様に、同じシリーズ名でも年式によって適合・不適合が分かれます。例えば、「ツアープリファード(TP)」シリーズでも、2011年以降のモデル(TP MC, TP MBなど)は新溝ルールに適合しています。したがって、モデル名だけでなく、必ず発売年式を確認し、R&Aのデータベースで最終チェックを行うようにしてください。
主要メーカーの新溝ルール適合モデルを紹介

2010年の新溝ルールが導入されてから長い年月が経ち、現在市場で新品として流通している主要メーカーのアイアンは、すべてこのルールに適合しています。ゴルファーは安心して最新モデルの性能を享受することができます。
ここでは、主要メーカーからリリースされている、人気と性能を兼ね備えた新溝ルール適合モデルの代表的なシリーズをご紹介します。
メーカー | 代表的な適合モデルシリーズ | 特徴 |
---|---|---|
タイトリスト | Tシリーズ (T100, T150, T200, T350), ボーケイデザインウェッジ | ツアープロからの信頼が厚いシャープな形状と精密なパフォーマンス。 |
ピン | iシリーズ (i230), Gシリーズ (G430), BLUEPRINT | 寛容性と操作性のバランスに優れ、幅広いゴルファーに支持されている。 |
ダンロップ | スリクソン ZXシリーズ, ゼクシオシリーズ, クリーブランドウェッジ | アスリート向けの「スリクソン」とアベレージ向けの「ゼクシオ」で多様なニーズに対応。 |
ブリヂストン | Bシリーズ (243HF, 241CB), ブリヂストン B-Limited | 日本のゴルファーのフィーリングを重視した精緻な作りと打感が魅力。 |
ヤマハ | RMX VDシリーズ | 革新的なテクノロジーを搭載し、高い飛距離性能と安定性を追求。 |
ホンマ | TOUR WORLD (TW) シリーズ, BERES | 日本の匠の技が光る美しい仕上げと、モデルに応じた高い性能。 |
これらのモデルはすべて新溝ルールに適合しているため、競技への参加を考えている方も問題なく使用できます。
これからアイアンを新調する方や、中古で比較的新しいモデルを探している方は、これらのシリーズ名を参考にすると良いでしょう。各シリーズの中でも、ゴルファーのレベルに合わせて複数のモデルがラインナップされていることが多いので、試打などを通じてご自身に最適な一本を見つけることが、スコアアップへの近道となります。
注意すべき適合外アイアンの代表的なモデル

これまでメーカー別に不適合モデルを挙げてきましたが、ここでは特に中古市場で見かけることが多く、注意が必要な「名器」と呼ばれる適合外アイアンを改めてリストアップします。これらのクラブは性能が高く人気があったため、知らずに使用してしまう可能性があります。
以下のリストにあるモデルを所有している、または購入を検討している場合は、新溝ルールを適用する競技では使用できない可能性があることを認識しておく必要があります。
【特に注意すべきルール不適合アイアン・ウェッジの代表例】
これらのクラブがなぜ人気だったかというと、その理由は明確で、溝の性能が高く、特にラフからでもボールに強烈なスピンをかけることができたからです。しかし、それこそがゴルフの公平性を保つためにルールで規制されることになった点でもあります。
これらのクラブは、プライベートなゴルフで楽しむ分には問題ありませんが、公式な競技に参加する際は、必ずルール適合のクラブを使用するようにしましょう。
激スピンウェッジの多くが不適合になる理由

「激スピン」を謳い文句にしたウェッジの多くがルール不適合となる理由は、そのスピン性能を生み出す「溝(グルーブ)」の形状と断面積が、R&Aの定める規則の制限を超えているからです。
2010年に導入された新溝ルールでは、主に以下の2点が厳しく規制されました。
- 溝の断面積と容量の制限: 溝が深すぎたり、幅が広すぎたりすると、フェースとボールの間にある芝や水分をより多く排出できます。これにより、特にラフのような悪条件下でもフライヤー(スピンがかからず飛びすぎてしまう現象)を抑制し、過剰なスピンを生み出すことが可能になります。新ルールでは、この溝の体積に上限を設け、ラフからのショットの難易度を適正に保つことを目的としています。
- 溝の縁(エッジ)の鋭さの制限: ロフト角が25度以上のクラブ(おおよそ5番アイアン以降)において、溝の縁を鋭利にしてはならない、と定められました。角が立った鋭い溝は、ボールのカバーに食いつきやすく、これが高いスピン性能の源となります。ルールではこの縁に一定の丸みを持たせることを義務付け、スピン量を抑制しています。
いわゆる「激スピンウェッジ」や「角溝ウェッジ」と呼ばれる非公認クラブは、意図的にこれらの規制を無視し、溝の断面積を最大化し、エッジを鋭くすることで、ルール適合品では実現不可能なレベルのスピン性能を追求しています。
これが、競技ゴルファーがルール不適合の激スピンウェッジを使用してはならない理由です。それは、技術ではなく用具の性能によって不当な利益を得ることになり、ゴルフの公平性を著しく損なう行為と見なされるのです。
ルール不適合アイアンリストに関するQ&A|罰則・寿命

ここでは、ルール不適合アイアンリストに関連して、多くのゴルファーが抱くであろう疑問についてQ&A形式で解説します。ルール改正の背景から、違反した場合の罰則、さらにはクラブの寿命といった用具に関する一般的な知識まで、あなたのゴルフライフに役立つ情報をお届けします。
- 溝ルールの目的と2024年問題の現状
- 競技で不適合クラブを使った場合の罰則は失格
- アイアンの寿命は5年~10年が買い替え目安
- 120ヤードを打つ番手はヘッドスピードで変わる
新溝ルールの目的と2024年問題の現状

2010年に導入された新溝ルールの主な目的は、「ショットの正確性の重要性を高め、ラフからのプレーにより高い技術を要求すること」です。
ルール改正以前の角溝(U字溝)は性能が高く、フェアウェイを外してラフに入れたとしても、ボールとフェースの間の芝を効率的に排出し、強烈なスピンをかけることができました。これにより、フェアウェイから打つことの優位性が薄れてしまい、ティーショットの正確性よりも飛距離ばかりが重視される傾向が強まっていました。
そこでR&AとUSGAは、溝の体積や縁の鋭さを制限することで、ラフからのショットのスピン量を意図的に減少させました。新しいルール下のクラブでは、ラフから打つとスピン量が減ってフライヤーしやすくなるため、ゴルファーはより一層フェアウェイをキープする正確なショットが求められるようになります。これが、ゲームの戦略性を高めるというルールの本来の狙いです。
「2024年問題」の現状について
当初、この新溝ルールはプロやトップアマチュアに先行して適用され、一般のアマチュアゴルファーに対しては2024年1月1日から全面的に適用される予定でした。これが「2024年溝規制問題」と呼ばれたものです。
しかし、2025年現在、統括団体であるR&AやUSGAからこの件に関する最終的な決定や通達はなされておらず、事実上、一般アマチュアに対する旧溝クラブの使用禁止措置は延期・保留されている状態です。したがって、現時点では一般アマチュアがクラブ競技などで旧溝のクラブを使用しても、直ちにルール違反となる状況ではありません。ただし、競技のローカルルールで規制される可能性はあるため、参加する競技の規定を事前に確認することが賢明です。
競技で不適合クラブを使った場合の罰則は失格

もし公式な競技において、ルールに適合していないクラブを使用してストローク(ショット)した場合、その罰則は非常に厳しいものとなります。ゴルフ規則4.1aに基づき、そのプレーヤーは競技失格となります。
たった1打でもルール不適合クラブでプレーしてしまうと、そのラウンドのスコアだけでなく、競技そのものに参加する資格を失ってしまうのです。これは、ゴルフが用具の公平性を非常に重んじるスポーツであることの表れです。
携帯しているだけなら罰則はない?
2019年のルール改定により、ルール不適合クラブをゴルフバッグに入れて携帯しているだけであれば、罰則は科されなくなりました。ただし、そのクラブでストロークを行ってはいけません。また、その不適合クラブも14本のクラブ本数制限の中の1本としてカウントされるため、他に14本の適合クラブを入れている場合は、クラブ本数オーバーの罰則(マッチプレーではそのホールの負け、ストロークプレーでは2打罰、最大4打罰まで)を受けることになるので注意が必要です。
プライベートなラウンドでは?
日本ゴルフ協会(JGA)は、「競技会であってもプライベートのゴルフであっても、ゴルフ規則に基づいてプレーする場合には使用することができない」との公式見解を示しています。友人との楽しいラウンドであっても、ルールを守ってプレーすることが、ゴルファーとしてのエチケットと言えるでしょう。
アイアンの寿命は5年~10年が買い替え目安

アイアンの寿命については明確な定義はありませんが、性能を維持するという観点から、一般的には5年~10年がひとつの買い替え目安とされています。もちろん、使用頻度や保管状況、素材によって大きく異なりますが、主な劣化要因は2つあります。
第一に、フェース面の溝の摩耗です。アイアンを使い込むと、ボールや砂との接触によりフェースの溝が徐々に削れて丸くなっていきます。溝が摩耗すると、スピン性能が著しく低下します。特に雨の日や濡れたラフからのショットでは、ボールが滑ってしまい、飛距離や方向性が安定しなくなります。定期的にプレーする方であれば、5年も使えば新品時との性能差を感じることがあるでしょう。
第二に、シャフトの劣化(へたり)です。スチールシャフトもカーボンシャフトも、長年の使用によるインパクトの衝撃やしなり戻りの繰り返しで、金属疲労や素材の劣化が進みます。シャフトがへたると、本来の硬さや粘りが失われ、弾道がばらついたり、飛距離が落ちたりする原因となります。
また、ゴルフクラブの技術は日々進化しています。5年、10年前のモデルと比較すると、最新のアイアンはミスヒットへの寛容性や飛距離性能が格段に向上しています。性能の劣化だけでなく、新しいテクノロジーの恩恵を受けるために買い替える、というのも賢明な判断と言えるでしょう。
120ヤードを打つ番手はヘッドスピードで変わる

120ヤードを打つために使用するアイアンの番手は、プレーヤーのパワーや技術レベルによって大きく異なります。一概に「〇番アイアンです」と答えることはできませんが、一般的なアマチュアゴルファーの目安は存在します。
一般的な男性アマチュアゴルファーの場合
ドライバーのヘッドスピードが40m/s前後の平均的なパワーの男性であれば、9番アイアンまたは8番アイアンで120ヤードを打つことが多いでしょう。パワーヒッターや上級者であれば、ピッチングウェッジ(PW)で打つこともあります。
女性やシニアゴルファーの場合
パワーが比較的少ない女性やシニアゴルファーの場合は、7番アイアンや、時には6番アイアンが必要になることも珍しくありません。
ストロングロフト化の影響
近年、アイアンは飛距離性能を追求するために、同じ番手でもロフト角を立てて設計する「ストロングロフト化」が進んでいます。これにより、例えば10年前に製造されたアイアンの8番と、最新のアイアンの9番が同じくらいの飛距離、というケースもよくあります。
大切なのは、他の人と比べることではなく、ご自身の番手ごとの正確な飛距離を把握することです。練習場で各番手で何ヤード飛ぶのかを計測し、「自分の120ヤードは9番アイアン」というように、自分だけの基準を持つことがスコアメイクの鍵となります。
総括:ルール不適合アイアンリストを正しく理解しよう

この記事では、ルール不適合アイアンリストについて、その確認方法から具体的なモデル、関連する知識までを詳しく解説しました。
記事のポイントをまとめます。
ゴルフクラブのルールは、一見複雑に感じるかもしれませんが、その本質はスポーツの公平性を保つためのものです。この記事で紹介した方法を活用してご自身のクラブを確認し、ルールに関する不安をなくして、これからもゴルフを存分に楽しんでください。
まずは、お手持ちのアイアンのモデル名を、R&Aのデータベースでチェックしてみてはいかがでしょうか。
>>R&Aの公式データベース(Informational Club Database)であなたのクラブを確認する
- マキロイのアイアンは正面のアドレスが重要!秘訣を徹底解説
- ヘッドスピード45のアイアンシャフト|選び方と最適スペック
- アイアンの買い替え時期は7つのサインで判断!初心者向け
- プロの数値でわかる!アイアンの最高到達点と理想の弾道
- アイアンが捕まりすぎる?理由と直し方をプロが徹底解説
- アイアンが左に曲がる悩み解決!原因と直し方を徹底解説
- アイアン型ユーティリティのメリットとは?強弾道で狙う選び方
- 失敗しない!アイアン型ユーティリティのシャフト選び徹底解説
- 【完全ガイド】アイアン型ユーティリティで200ヤードを出す選び方
- 【図解】アイアンの鉛の貼り方|位置別の効果と調整法
- 【図解】アイアンでロフトを立てる!飛距離が伸びる打ち方
- 誰でもわかるアイアンとユーティリティの使い分け完全ガイド
- アイアンがヒールに当たる原因と直し方の即効ドリル5選
- アイアンがトゥに当たる5つの要因と即効性のある直し方
- アイアンのシャフトの長さは身長で決めるな!スコアを変える選び方
- アイアンのシャフト手元に貼る鉛の効果|安定と飛距離UP
- アイアンシャフト交換の費用比較!ショップ別料金徹底解説!
- 若者向けアイアンのカーボンシャフト選び|ダサいは誤解!
- アイアンのアドレスにおけるフェースの向き|スクエアが正解!
- 80切り達成へ!中級者ににおすすめのアイアン選び方と人気モデル
- 【図解】ユーティリティーの悩みは鉛1枚で激変!効果的な貼り方
- シャンクはインドア練習場で直る!原因と対策、料金も解説
- プロも悩むシャンクはスイング改造で克服!原因と直し方
- ユーティリティーが打てない原因とは?3つのコツで即上達!
- ユーティリティーが左に曲がる悩み解決!5つの原因と直し方
- ユーティリティーが右に出る原因は?7つの直し方でスライス克服
- ユーティリティー 30度の飛距離目安!やさしく飛ばす選び方
- ユーティリティー28度の飛距離|6番アイアンとの比較と選び方
- 28度ユーティリティーは必要か?【結論】スコアが安定します
- ゴルフでダメなプロを見抜き、時間の無駄をなくし本当に上達できるスクールを選ぶ方法
- 24度ユーティリティーの飛距離目安|HS別・男女別に解説
- ユーティリティー23度の平均飛距離は?番手別の目安で解決
- ユーティリティー22度の飛距離目安|プロが教える打ち方のコツ
- ユーティリティー21度の飛距離は190Y!目安と選び方を解説
- ユーティリティー19度の飛距離は何ヤード?HS別目安と選び方
- ユーティリティのシャフトは80g台が鍵!失敗しない選び方
- ユーティリティ シャフト 70g 台の選び方|ミスが減る最適重量
- 【結論】初心者フェアウェイウッドは不要?7本で十分な理由
- ロッディオのフェアウェイウッド評価|3種のソールの選び方
- ユーティリティならフェアウェイウッドはいらない?選び方解説
- フェアウェイウッドの鉛の貼り方【図解】悩み別調整でミス激減
- フェアウェイウッドのフレックスを落とすトップスライス解消術
- フェアウェイウッドシャフトを柔らかくする?ミスが減る選び方
- ドライバーの鉛調整はプロ直伝!位置で飛距離とスライス改善
- 知らないと損!ドライバーの鉛のデメリットと飛距離UP術
- 【図解】ドライバーの重りの貼り方|スライス・飛距離改善
- 方向激変!ドライバーを短く持つデメリットを知りスライス克服
- ドライバーの最高到達点は何ヤード?理想の高さと飛距離UPのコツ
- ドライバーの後方からのスーパースローでプロの動きを完コピ
- ドライバーが先に当たる原因はスイングだけ?疑うべき5大原因
- ドライバーでボールの位置が左過ぎると起きるミスの原因と直し方
- ドライバーのバランス計算アプリ3選|自宅測定をExcel管理でも
- ドライバードロップ原因全網羅!飛距離が伸びる5つの即効対策
- ドライバーのティー 高さ40mm基準で安定!スライス激減調整法
- ドライバーのヘッドの正しい置き方|ミスが減る構え方の基本
- 【簡単】ドライバーのソールの傷は自分で消して解決!
- ドライバーシャフトの長さ計測法|適正長から60度法まで解説
- ドライバーのクラウンが割れた!影響と修理、保険まで完全網羅
- ドライバークラウンの傷!自分でできる消し方と注意点
- ドライバーのクラウン傷、ピカールで修復する前の注意点
- 300gドライバー基準の重量フロー!振り心地を揃える調整術
- バンカーの水たまりは無罰でOK!正しい救済3つの選択肢
- ゴルフのワンペナ新ルール解説!OBとの違いと数え方
- ワンペナはどこから打つ OBとの違いと処置を初心者向けに解説
- スライスしないシャフトでOB激減 選び方とおすすめ人気モデル
- シャンクでゴルフをやめるな!原因と直し方完全ガイド
- ライザップゴルフひどい?自腹50万の結論と後悔しない全知識
- ゴルフのアイアン正面アドレス|正しい手順と3つのNG例で修正
- ゴルフのアドレスは棒立ちでOK!メリットと正しい作り方
- アイアンのシャンク、原因は右手?番手別の直し方と即効ドリル