雨の日のゴルフで「バンカーに入ってしまった、しかも大きな水たまりが…」こんな経験はありませんか?バンカー内の水たまりのルールは少し複雑で、正しい救済方法を知らないとペナルティを科せられることも。この水たまりは、新ルールで「テンポラリーウォーター」(旧称:カジュアルウォーター)と呼ばれます。しかし、結論から言うと、この状況は無罰で救済できるのが基本です。
この記事では、JGAにより定められているバンカーの水たまりからの基本的な救済ルールから、2019年の新ルールで追加された有利な選択肢、ボールが見つからない場合やスタンスだけがかかる場合の対処法、さらにはアンプレヤブルとの違いまで、あらゆる疑問に答えます。正しい知識で、雨の日でもスコアを損せず、自信を持ってプレーできるようになります。
- バンカーの水たまりからの救済は「無罰」が基本
- 「カジュアルウォーター」は新ルールで「テンポラリーウォーター」に名称変更
- 無罰(バンカー内)と1罰打(バンカー外)の2つの選択肢がある
- アンプレヤブル宣言による2打罰の選択肢も理解しておくことが重要
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バンカーの水たまりからの救済|3つの選択肢と正しい手順

バンカーの水たまりにボールが入ってしまった時、どうすれば良いのでしょうか。ここでは、ゴルファーが知っておくべき基本的な救済の選択肢と、その正しい手順を解説します。まずは落ち着いて、どの選択肢が自分にとって最も有利かを見極めましょう。
- テンポラリーウォーターとは?カジュアルウォーターからの新ルール変更点
- ゴルフの基本!水たまりで救済となる無罰でドロップする手順
- 1罰打で外に出せる救済新ルールの選択肢
- ボールは無事でもスタンスがかかる場合の救済
- バンカー内の水たまりでボールが紛失!見えなくても救済は受けられる
テンポラリーウォーターとは?カジュアルウォーターからの新ルール変更点

この画像は、ルール用語の変更を示しています。まず、「バンカーの水たまり」がルール上どのように扱われるかを知ることが重要です。
2019年のルール改正により、これまで「カジュアルウォーター」と呼ばれていたものは「テンポラリーウォーター」という名称に変更されました。これは、ペナルティエリア以外のコース上に一時的にできた水たまりやぬかるみを指します。雨が降った後などによく見られる状態で、「異常なコース状態」の一つとして扱われます。
テンポラリーウォーターかどうかの判断基準は、「スタンスを取った時に、靴の上から水が見えるか、染み出てくるか」です。ただ地面が湿っている、あるいはぬかるんでいるだけでは救済の対象にはなりません。はっきりと水が確認できる状態であることが必要です。
このルール変更は主に名称の整理が目的ですが、ゴルファーとしては「テンポラリーウォーター」という新しい正式名称を覚えておくことが大切です。競技などで審判員と話す際にも、正しい用語を使うことでスムーズなコミュニケーションが可能になります。旧称のカジュアルウォーターという言葉もまだ広く使われていますが、新ルールへの理解を示すためにも、新しい呼び方に慣れていきましょう。
ゴルフの基本!水たまりで救済となる無罰でドロップする手順

この画像のように、プレーヤーはまず救済の基点を探すことから始めます。バンカーの水たまりからの最も基本的な救済は、罰なしでバンカー内にドロップする方法です。スコアに影響を与えずに状況を改善できるため、必ず覚えておきたい手順です。
①スタンスも救う「完全な救済のニアレストポイント」を決める

まず最初に決定すべきは、「完全な救済のニアレストポイント」です。これは「ボールがあった元の位置に最も近く、かつホールに近づかない、水たまりの影響(ボールとスタンスの両方)を完全に避けられるバンカー内の地点」を指します。
重要なのは、ボールだけでなく、ショットを打つ際のスタンス(両足)も水たまりから完全に避けられる場所でなければならないという点です。ボールだけを乾いた砂地に移せても、足元が水浸しでは意味がありません。この「ボールとスタンスの両方を救う」というのが「完全な救済」の原則です。
このニアレストポイントは1点しか存在しません。どこにドロップできるかというエリアではなく、あくまで「最も近い救済地点」という1つのポイントであると理解してください。
②決めた基点から1クラブレングス以内に膝の高さからドロップ

ニアレストポイントが決まったら、次はそのポイントを基点に行動します。
そのニアレストポイントから、ホールに近づかないように1クラブレングス(あなたが持っているパター以外の最も長いクラブの長さ)の範囲内に救済エリアが設定されます。あなたはその救済エリアの中の、バンカー内にボールをドロップしなければなりません。
ドロップする際は、必ず膝の高さからボールを真下に落とします。以前のルールでは肩の高さからでしたが、新ルールで変更された点なので注意しましょう。正しくドロップしたボールが救済エリア内に止まれば、そのままプレーを続けることができます。もしボールがエリアの外に転がり出た場合は、再度ドロップをやり直します。
この一連の手順を正しく踏むことで、罰打を受けることなく、水たまりという不利な状況から脱することができるのです。
1罰打で外に出せる救済新ルールの選択肢

このプレーヤーは、バンカーから出すという戦略的判断を下しました。バンカー内に適切なドロップ場所がない、あるいはバンカーショット自体に自信がなく、外からアプローチしたい場合もあるでしょう。
そんな時に有効なのが、2019年のルール改正で追加された「1罰打でバンカーの外に出す」という選択肢です。これは「後方線上の救済」と呼ばれます。
手順としては、まずホール(ピン)とボールがバンカー内にあった元の位置とを結びます。そして、その直線をバンカーの後方に好きなだけ延長することができます。あなたはその延長線上の任意の地点を基点とし、そこから1クラブレングス以内で、ホールに近づかない救済エリアにボールをドロップすることができます。
この処置を選択すると1打罰が加算されますが、難しいバンカーショットを完全に避けられるという大きなメリットがあります。例えば、アゴが高いバンカーで、かつ水たまりがあってまともに打てないような最悪の状況では、この1罰打の救済がスコアをまとめる上で非常に賢明な判断となることがあります。無罰にこだわらず、状況に応じて柔軟にこの選択肢を使えるかがスコアメイクの鍵となります。
ボールは無事でもスタンスがかかる場合の救済

画像のように、ボールは水たまりの外にあっても、プレーに影響が及ぶケースがあります。ゴルフのルールでは、ボールそのものだけでなく、プレーヤーの意図するスタンスが「異常なコース状態」によって物理的に妨げられる場合も救済の対象となります。
つまり、ボールは乾いた砂の上にあっても、アドレスを取ろうとしたときに足がバンカー内の水たまりに入ってしまうのであれば、あなたは無罰の救済を受ける権利があります。この場合も、救済方法は基本的にボールが水たまりに入った時と同じです。
まず、ボールとスタンスの両方が水たまりの影響を受けない「完全な救済のニアレストポイント」をバンカー内に見つけます。そして、そのポイントを基点に、ホールに近づかない1クラブレングス以内の救済エリアにドロップしてプレーを再開します。
このルールを知らないと、濡れた足元のまま無理にショットを打ってしまい、ミスショットにつながる可能性があります。「スタンスも救済対象である」ということを覚えておくだけで、余計なミスを防ぎ、快適にプレーを続けることができるのです。ボールの位置だけでなく、必ず自分の足元も確認する癖をつけましょう。
バンカー内の水たまりでボールが紛失!見えなくても救済は受けられる

このゴルファーたちのように、ボールがバンカー内の大きな水たまりに飛び込み、完全に水没して見えなくなってしまうこともあります。通常、ボールが見つからなければロストボールとして処理されますが、このケースは例外です。
ルールでは、あなたのボールがコース上のテンポラリーウォーター(この場合はバンカーの水たまり)の中にあることが「分かっている、または事実上確実」である場合、ボールが見つからなくても救済を受けることができます。「事実上確実」とは、目撃情報などから、ボールがその水たまり以外にある可能性がほとんどない状態(95%以上の確率)を指します。
この場合、まずボールが水たまりの縁を最後に横切ったと推定される地点を決定します。そして、その推定地点をボールの元の位置とみなし、通常のテンポラリーウォーターからの救済の手順を適用します。
つまり、以下の2つの選択肢が与えられます。
- 無罰での救済: 推定地点を基点に、バンカー内で完全な救済を受けられるニアレストポイントを見つけ、そこからドロップする。
- 1罰打での救済: 推定地点とホールを結んだ後方線上のバンカー外にドロップする。
ボールが見えないからといって諦める必要はありません。「事実上確実」という状況証拠があれば、ペナルティを最小限に抑えてプレーを続行できることを覚えておきましょう。
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知らないと損!バンカーの水たまりと救済に関する応用知識

バンカーの水たまりに関する基本的な救済を理解したら、次は一歩進んだ応用知識です。ここでは、水たまりと混同しやすい「流水跡」の扱い、より困難な状況で役立つ「アンプレヤブル」との違い、そしてルール改正で何が変わったのかを解説します。これらの知識が、あなたのスコアメイクをさらに助けてくれるはずです。
- バンカー内の流水跡は救済の対象外となるのが原則
- バンカーで行うアンプレヤブル宣言との違いと賢い使い分け
- 全体が池!ドロップ場所がない時の最終手段
- 誤ってクラブが水に触れたらペナルティ?
- 2019年ルール改正で変わった5つの重要ポイント
バンカー内の流水跡は救済の対象外となるのが原則

この画像のように、ボールが流水跡にはまってしまうと非常に厄介です。大雨の後、バンカー内には水が流れた跡が溝のように残ることがあります。これはボールが埋まりやすく、非常に打ちにくい状況ですが、注意が必要です。
原則として、バンカー内の「流水跡」は、それ自体が「異常なコース状態」とは見なされず、無罰での救済を受けることはできません。これは、バンカーが元々ハザード(障害物)であり、ある程度の困難さを受容すべき場所と考えられているためです。目玉になったり、足跡に入ってしまったりするのと同じように、流水跡もコースの自然な状態の一部として扱われます。
ただし、一つ重要な例外があります。もしその流水跡に水が溜まっていて、ボールがその水に触れているか、スタンスが水にかかる場合は、話が変わります。その水は「テンポラリーウォーター」として扱われるため、前述した無罰の救済を受けることが可能になります。
まとめると、「単なる砂の溝(流水跡)」は救済不可、「水が溜まった流水跡」は救済可能、ということです。この違いを正確に理解しておくことが、正しい処置につながります。
バンカーで行うアンプレアブル宣言との違いと賢い使い分け

この画像のように、水たまりはなくてもバンカーには絶望的な状況が潜んでいます。そんな時にプレーヤーに残された最後の手段が「アンプレヤブル」の宣言です。これは、プレーヤー自身が「このボールは打てない」と判断した場合に、罰打を受け入れて救済を受けることができるルールです。
テンポラリーウォーターからの救済が無罰であるのに対し、アンプレヤブルは常に罰打が伴います。しかし、水たまり以外の様々な困難な状況(例えば、アゴの真下、木や障害物のすぐそばなど)から脱出できる強力な選択肢です。
バンカーのあごにめり込んでいる球もアンプレヤブルで対処

バンカーのあごにボールがめり込んでしまった状況は、まさにアンプレヤブルを検討すべき典型例です。このような状態から無理に打とうとすると、大叩きの原因になりかねません。1罰打または2罰打を受け入れることで、よりプレーしやすい場所から次打を打つことができます。
【ゴルフ新ルール】バンカーから2打罰で脱出する選択肢

アンプレヤブルを宣言した場合、バンカー内では以下の選択肢があります。
- 打ち直し: 最後にプレーした元の場所からもう一度打つ。
- 後方線上救済(バンカー内): ボールとホールを結んだ後方線上のバンカー内にドロップする。
- ラテラル救済(バンカー内): ボールがあった地点から2クラブレングス以内で、ホールに近づかないバンカー内にドロップする。
そして、2019年のゴルフ新ルールで、さらに画期的な選択肢が追加されました。
- 後方線上救済(バンカー外): 上記の「後方線上救済」を、2罰打を払うことでバンカーの外で行うことができる。
この2罰打の選択肢は、バンカーから出すこと自体が極めて困難な場合に非常に有効です。水たまりの救済(1罰打で外へ)と混同しないよう、罰打の数を正確に覚えておきましょう。
ペナルティについてはこちらの記事でも詳しく紹介しています。
全体が池!ドロップ場所がない時の最終手段

まれに、この画像のような極端な状況に遭遇することがあります。バンカー全体が水浸しで、ルールに従って無罰でドロップできる「完全な救済のニアレストポイント」がバンカー内に一つも存在しないケースです。
このような場合、ルールはプレーヤーに次善の策を提供します。まず試すべきは、「最大限の救済を受けられる地点」をバンカー内に見つけることです。これは、完全ではないものの、元の状態よりはマシな場所(例:水深が最も浅い場所)に無罰でドロップできるという処置です。
しかし、それでもプレーが困難、あるいは不可能な場合は、前述した罰ありの救済を選択することになります。
- 1罰打での救済: ホールとボールがあった地点を結んだ後方線上のバンカー外にドロップする(テンポラリーウォーターの救済)。
- 2罰打での救済: アンプレヤブルを宣言し、ホールとボールがあった地点を結んだ後方線上のバンカー外にドロップする。
基本的には1罰打の救済を選択するのが一般的です。バンカーが完全に池になっているような状況では、無理せず罰打を受け入れ、バンカーの外からプレーを再開するのが最も賢明な判断と言えるでしょう。
誤ってクラブが水に触れたらペナルティ?

この画像は、プレーヤーがひやりとする瞬間を捉えています。かつてのルールでは、ストローク(ショット)を行う前にバンカーの砂や水たまりにクラブが触れると、ペナルティが科せられていました。しかし、この点も2019年のルール改正で大きく変更されました。
結論から言うと、現在では意図せずにクラブがバンカー内の水たまりや砂に触れても、ペナルティはありません。
例えば、以下のようなケースは無罰です。
ただし、依然として禁止されている行為もあります。
要するに、「意図的にプレーの利益を得ようとして」触れることは禁止ですが、偶発的な接触は許容されるようになったのです。この変更により、プレーヤーは過度に神経質になる必要がなくなりました。とはいえ、ルールを正しく理解し、不要な接触は避けるのがマナーです。
2019年ルール改正で変わった5つの重要ポイント

2019年のルール改正は、ゴルフをより速く、より分かりやすく、より公平にすることを目的に行われました。バンカーに関しても、これまで解説してきた救済ルール以外に、プレーヤーに有利になる多くの変更がありました。ここで改めて重要なポイントを整理しておきましょう。
変更点 | 以前のルール(~2018年) | 新ルール(2019年~) |
---|---|---|
ルースインペディメントの除去 | 罰あり(ボールに触れない葉や石も触れなかった) | 無罰(ボールを動かさない限り、葉、石、枝などを取り除ける) |
砂への接触 | 罰あり(ストローク前にクラブで砂に触れるとペナルティ) | 無罰(ライの改善や練習でなければ、偶然の接触はOK) |
アンプレヤブルの選択肢 | バンカー外に出す選択肢はなかった | 2罰打でバンカーの外(後方線上)に出す選択肢が追加 |
ボールの確認 | 同伴者への事前申告と立ち会いが必要だった | 事前申告不要で、自分でボールを拾い上げて確認できる |
自打球・2度打ち | 罰あり(自打球は1打罰、2度打ちは1打罰) | 無罰(偶然当たってしまった場合は罰なしで、ボールが止まった所からプレー) |
特に、「ルースインペディメント(葉っぱや小石など)の除去」が無罰になったことと、「2罰打でバンカー外に出せる」アンプレヤブルの選択肢が追加されたことは、実戦で役立つ大きな変更点です。これらの新ルールを味方につけることで、バンカーショットのプレッシャーを軽減し、より戦略的なプレーが可能になります。
もしルールについてさらに深く学びたい場合は、公式なルールブックを確認するのが最も確実です。
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「もし上手くならなかったら…」という不安は不要です。
結果に絶対の自信があるからこそ、この保証があります。
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総括:バンカーの水たまりからの救済ルールを正しく理解しよう

この記事では、バンカーの水たまりに関する様々なルールを解説しました。最後に、重要なポイントをまとめておさらいしましょう。
これらのルールを正しく理解し、状況に応じて最適な判断を下すことが、スコアアップへの近道です。雨の日のプレーも、もう怖がる必要はありません。
バンカーの水たまりは、もうあなたの敵ではありません。今日学んだ知識を武器に、次回のラウンドでは自信を持って正しい処置を行いましょう。この記事を参考に、スマートなゴルファーを目指してください。