PGAツアー観るならスカパー!ゴルフネットワーク!申し込みはこちら

【図解】バンカーでのソールはOK?無罰と2打罰の境界線

【図解】バンカーでのソールはOK?無罰と2打罰の境界線
本記事はプロモーションが含まれています

ゴルフのラウンド中、ボールがバンカーに入ってしまうと、多くのゴルファーが「クラブのソールはOKだっけ?」と一瞬動きを止めてしまいますよね。特に、同伴者の視線を感じると、自信がないままプレーして不要なペナルティを受けてしまうことも。ゴルフ用品で有名なPINGのプレーヤーたちでさえ、ルールの正確な理解はスコアメイクの基礎として重視しています。実際のところ、バンカーでのソールは原則として禁止ですが、2019年の新ルール改正で無罰になるケースも増え、ルールは少し複雑になりました。

この記事では、バンカーでソールがOKになる具体的なケースと、2打罰となる禁止事項の境界線を、誰にでも分かるように図解を交えて徹底解説します。なぜクラブを地面につけないのかという根本的な理由から、フェアウェイバンカーや水たまりといった特殊な状況、さらにはティーイングエリアでのチョロといった関連ルールまで網羅。この記事を読めば、もうバンカーのルールで迷うことはなくなり、不要な罰を避け、自信を持ってプレーに集中できるようになります。

この記事のポイント
  • バンカーでソールがOKになる無罰の例外ケースを具体的に解説
  • 原則2打罰となるNG行為と、その理由が明確にわかる
  • アンプレヤブル宣言時の2打罰救済など、知っておくと得する新ルール
  • フェアウェイバンカーや水たまりなど、判断に迷う状況の対処法
  1. バンカーでのソールは原則NG!ただしOKになる例外ケースも
    1. ソールが特別にできる無罰のケースとは
    2. バンカー内でペナルティになる主な禁止事項リスト
    3. そもそも「ソール」とはクラブヘッドの底を地面につける行為
    4. なぜ禁止?ライの改善や砂質のテストを防ぐため
    5. クラブを地面につけない理由は公平性を保つため
    6. 覚えておきたい基本ルール
    7. 2019年新ルールでの変更点を解説
    8. 違反した場合に科される罰とは
    9. ソールしたら何打罰?原則は2打罰
    10. 【初心者必見】バンカーでやりがちな「うっかり2打罰」NG行動5選
    11. ゴルフの新ルール バンカー内でアンプレヤブル宣言時の2打罰救済オプション
  2. これで完璧!バンカーでのソールがOKか迷う特殊ケースと関連ルール
    1. フェアウェイでソールはNG!グリーン周りとルールは同じ
    2. 【特殊ケース】砂がほとんどないベアグラウンドのバンカーでは?
    3. ゴルフの新ルール!水たまりは無罰または1打罰での救済が可能
    4. 打った後の素振りはボールが外にあれば罰なし
    5. ティーイングエリア内でチョロはエリア内なら無罰で打ち直せる
  3. ルールだけじゃない!バンカーでスマートに振る舞うための必須マナー
    1. なぜバンカーをならす必要があるの?後続プレーヤーへの配慮
    2. 正しいバンカーのならし方【図解ステップ】
    3. どこから入って、どこから出るのが正解?
  4. 総括:バンカーでのソールがOKか判断する重要ポイント
  5. バンカーのソールに関する「よくある質問」をプロが解説! (FAQ)

理想のクラブを、もっと賢く手に入れませんか?

最新モデルはもちろん魅力的ですが、少し前の名器や状態の良い中古クラブなら、驚くほどお得に高いパフォーマンスを手に入れることができます。ただし、それには信頼できるお店選びが不可欠です。

バンカーでのソールは原則NG!ただしOKになる例外ケースも

バンカーでのソールは原則NG!ただしOKになる例外ケースも

このセクションでは、ゴルファーが最も知りたいバンカーでのソールの基本ルールについて、OKなケースとNGなケースを明確に分けて解説します。2019年のルール改正で何が変わったのか、そしてなぜそのようなルールが存在するのかを理解することで、もうコースで迷うことはありません。

  • ソールが特別にできる無罰のケースとは
  • ペナルティになる主な禁止事項リスト
  • そもそも「ソール」とはクラブヘッドの底を地面につける行為
  • なぜ禁止?ライの改善や砂質のテストを防ぐため
  • クラブを地面につけない理由は公平性を保つため
  • 覚えておきたい基本ルール
  • 2019年新ルールでの変更点を解説
  • 違反した場合に科される罰とは
  • ソールしたら何打罰?原則は2打罰
  • 【初心者必見】バンカーでやりがちな「うっかり2打罰」NG行動5選
  • ゴルフの新ルール バンカー内でアンプレヤブル宣言時の2打罰救済オプション

ソールが特別にできる無罰のケースとは

ソールが特別にできる無罰のケースとは

「バンカーでは絶対に砂に触れてはいけない」と思いがちですが、実は罰なしでソールがOKになる例外的なケースがいくつか存在します。これらはプレーの意図とは関係なく、やむを得ない状況やプレーの進行上、認められている行為です。

主な無罰ケースは以下の通りです。

  • 転倒防止や体を支えるため: バンカーに出入りする際や、不安定な斜面でバランスを崩しそうになった時に、手やクラブで地面に触れて体を支える行為。これはプレーヤーの安全を守るための措置です。
  • 休憩のため: 自分の打順を待っている間などに、クラブを杖代わりにして寄りかかり、休むこと。
  • 用具を置くため: レーキやタオル、使わないクラブなどを、プレーに影響のない場所に置くこと。
  • ボールがバンカーの外に出た後: ショットの結果、ボールが完全にバンカーの外に出た後であれば、悔しさから砂を叩いたり、素振りをしたりしても罰はありません。
  • 怒りの表現: ミスショットへの苛立ちから、意図せず砂を叩いてしまった場合。ただし、これによってボールのライが改善されたと判断されると罰の対象になる可能性があります。

これらのケースは、いずれも「ボールを打つための情報を得たり、ライを改善したりする意図がない」という共通点があります。

バンカー内でペナルティになる主な禁止事項リスト

バンカー内でペナルティになる主な禁止事項リスト

無罰のケースとは逆に、これをしてしまうと即2打罰となる禁止事項も明確に定められています。これらはすべて、バンカーというハザードの難易度を不当に下げる行為と見なされるためです。

NGな行為(2打罰)なぜ禁止か
アドレス時のソールボールの直前・直後の砂にクラブヘッドを接地させる行為。砂が凹み、ボールのライ(状態)が改善される可能性があるため。
練習スイングで砂に触れる素振りでクラブが砂に触れると、砂の硬さや深さをテストしていると見なされるため。
バックスイングで砂に触れるこれから打つストロークのためのバックスイング中にクラブが砂に触れる行為。これもライの改善や砂質のテストに繋がるため。
砂質のテスト砂の硬さや状態を確かめる目的で、手やクラブで意図的に砂に触れる行為。ハザードの難易度を不当に確認する行為として明確に禁止。

これらの行為は、たとえ意図的でなくてもペナルティの対象となります。特にアドレス時と練習スイングは無意識に行いがちなので、バンカー内では常にクラブを地面から浮かせる意識を持つことが重要です。

そもそも「ソール」とはクラブヘッドの底を地面につける行為

そもそも「ソール」とはクラブヘッドの底を地面につける行為

ゴルフにおける「ソール」とは、クラブヘッドの底面(地面に接する平らな部分)を地面につける行為を指します。フェアウェイやラフといった通常のエリアでは、アドレスを取る際にクラブをソールして構えるのが一般的です。

このソールという行為が、なぜバンカー内では特別に厳しく制限されるのでしょうか。その理由は、バンカーがコースにおける「ハザード(障害物)」として設計されているからです。次の項目で、その理由をさらに詳しく見ていきましょう。

なぜ禁止?ライの改善や砂質のテストを防ぐため

なぜ禁止?ライの改善や砂質のテストを防ぐため

バンカーでのソールが禁止されている根本的な理由は、主に2つあります。それは「ライの改善」と「砂質のテスト」を防ぎ、プレーの公平性を保つためです。

  1. ライの改善を防ぐため
    砂は芝生と違って非常に柔らかく、クラブヘッドを地面につけるだけで、その重みで砂が凹んでしまいます。もしボールのすぐ後ろの砂が凹めば、意図せずともボールが打ちやすい状態になってしまう可能性があります。これはルールで厳しく禁じられている「ライの改善」にあたります。
  2. 砂質のテストを防ぐため
    クラブをソールすることで、ゴルファーは砂の硬さ、湿り気、深さといった情報をショット前に得ることができてしまいます。これは、バンカーというハザードの難易度を不当に下げる行為です。どんな砂の状態で、どれくらいの力加減で打つべきかを判断するのも、バンカーショットの技術の一部なのです。

これらの理由から、ボールがバンカー内にある限り、ショットの前に意図的に砂に触れて情報を得ることは固く禁じられています。

クラブを地面につけない理由は公平性を保つため

クラブを地面につけない理由は公平性を保つため

バンカーでクラブを地面につけない最大の理由は、すべてのプレーヤーが同じ条件でハザードに挑戦するという「公平性」を保つためです。ゴルフは「あるがままにプレーする」ことを基本原則としています。

もしソールが許可されれば、プレーヤーはショット前に砂を圧縮したり、ならしたりして、自分に有利な状況を作り出すことができてしまいます。また、砂の状態を自由にテストできれば、バンカーの難易度は大きく下がり、ハザードとしての意味が薄れてしまいます。

難しいライや読めない砂質といった不確定要素も含めて、バンカーというハザードを攻略すること自体がゴルフの醍醐味の一つです。クラブを地面につけないというルールは、このゲームの根幹にある公平性の精神を守るための重要な規定なのです。

覚えておきたい基本ルール

覚えておきたい基本ルール

バンカーのソールに関するルールをシンプルにまとめると、以下のようになります。この基本さえ押さえておけば、コースで迷うことは格段に減るでしょう。

  • 原則: ボールがバンカー内にある場合、ストローク(ショット)を行う前に、クラブで砂に触れてはいけない。
  • 例外: プレーの準備やショットとは無関係な行為(体を支える、休憩するなど)であれば、砂に触れても罰はない。
  • ペナルティ: 上記の原則に違反した場合、2打罰が科される。

この「原則禁止、一部例外あり」という構造を理解することが、バンカーのルールをマスターする第一歩です。特に、アドレスや練習スイングでうっかり砂に触れてしまうミスが多いため、「バンカーに入ったらクラブを浮かせる」と常に意識することが大切です。

2019年新ルールでの変更点を解説

2019年新ルールでの変更点を解説

2019年のゴルフルール大幅改正は、プレーの迅速化とルールの簡素化を目的として行われました。バンカーに関しても、プレーヤーに有利ないくつかの変更点がありました。

  • ルースインペディメントの除去が可能に: 以前は触れることすら禁止されていた、バンカー内の小石、木の葉、枝といった「ルースインペペディメント(固定されていない自然物)」を、罰なしで取り除くことができるようになりました。これにより、ショットの邪魔になるものを取り除いてからプレーできます。
  • アンプレヤブルの新しい救済オプション追加: 後述しますが、バンカーから出すのが困難な場合に「アンプレヤブル(プレー続行不可能)」を宣言できます。その際の救済措置として、2打罰でバンカーの外からプレーできる新しい選択肢が加わりました。

【重要】ソール禁止の原則は変わらない
一方で、最も重要な点として、「アドレスや練習スイングでソールしてはいけない」という基本原則に一切の変更はありません。 ルール改正でペナルティエリア(旧ウォーターハザード)内でのソールが許可されたため、バンカーでもOKになったと誤解している方がいますが、これは大きな間違いなので注意が必要です。

違反した場合に科される罰とは

違反した場合に科される罰とは

バンカー内でソール禁止のルールに違反した場合、「2打罰」が科せられます。これはゴルフ規則における「一般の罰」にあたり、比較的重いペナルティです。

例えば、パー4の第2打をバンカーに入れ、次のショットを打つ前にうっかりソールしてしまった場合、2打罰が加算されます。そのバンカーショットを打つ時点で、すでに4打目(第2打+2打罰)をプレーしていることになり、スコアに大きな影響を与えます。

このペナルティは、ストロークプレー(通常のスコアを競う形式)でも、マッチプレー(ホールごとの勝ち負けを競う形式)でも同様に適用されます。たった一度の不注意がスコアを大きく崩す原因になるため、ルールの正しい理解が不可欠です。

ソールしたら何打罰?原則は2打罰

ソールしたら何打罰?原則は2打罰

これまでの説明の繰り返しになりますが、非常に重要なポイントなので改めて強調します。バンカー内で、ボールを打つ前にクラブをソールしてしまった場合のペナルティは「原則として2打罰」です。

  • 練習スイングで砂に触れたら? → 2打罰
  • アドレスでソールしたら? → 2打罰
  • バックスイングでクラブが砂に当たったら? → 2打罰

この「2打罰」という重いペナルティは、バンカーが単なる砂場ではなく、意図的に設けられた「ハザード(障害)」であることをプレーヤーに再認識させるためのものです。ルールを正しく理解し、不要なペナルティを避けることが賢明なスコアメイクに繋がります。

【初心者必見】バンカーでやりがちな「うっかり2打罰」NG行動5選

サンドバンカーで、一人は頭に手を当て、もう一人はショットを構える2人の女性ゴルファー。

バンカー内でのソールや、砂に触れる練習スイングがNGなのは基本ですが、実はそれ以外にも、ゴルフ初心者が知らず知らずのうちにやってしまいがちな「うっかり2打罰」の行動があります。これらはすべて「ライの改善」や「砂質のテスト」につながる可能性があるため、ルールで厳しく禁止されています。無意識の行動でスコアを崩してしまわないよう、具体的なNG行動を5つ覚えておきましょう。

  1. ボールの近くにクラブやレーキを「ポン」と置く
    自分の打順を待つ間など、無意識にボールの近くの砂の上にクラブやレーキを置いてしまうことがあります。たとえソールするつもりがなくても、クラブの重みで砂がわずかに固まったり凹んだりして、ボールのライに影響を与えたと判断されると罰の対象になります。
  2. ボールを探すときに手やクラブで砂をかき分ける
    ボールが深く砂に埋まって「目玉」になった際、焦って手やクラブで砂をかき分けて探してしまうのは重大なルール違反です。これはまさに「砂質のテスト」そのものであり、ボールが見つかった場所のライを改善する行為と見なされてしまいます。
  3. バンカーのフチ(土手)の砂を崩しながらスタンスをとる
    特にアゴに近い斜面でスタンスをとる際、足場を固めようとして無造作に砂を崩してしまうことがあります。もし、その崩れた砂がボールの近くに影響を与えた場合、ライを改善したとみなされる可能性があります。
  4. ショットの前に、ボール後方の落ち葉などを取り除く
    2019年のルール改正で、バンカー内の小石や木の葉(ルースインペディメント)は取り除けるようになりました。しかし、それを取り除く際に手で砂に触れてしまった場合、それは依然としてルール違反となり、2打罰となります。あくまで砂に触れないように、慎重に取り除く必要があります。
  5. ミスショット後、ボールがまだバンカー内にあるのに砂を叩く
    バンカーからの脱出に失敗し、ボールがまだバンカー内に残っている状況を想像してみてください。悔しさのあまり、その場でクラブで砂を叩きつけてしまうと、それは次のショットのための「砂質のテスト」と判断され、2打罰が科せられます。

これらの「うっかりミス」を防ぐ最も効果的な方法は、「ボールがバンカー内にある限り、ショットの準備以外で砂には極力触れない」という強い意識を持つことです。この意識が、あなたの大切な2打を守ります。

ゴルフの新ルール バンカー内でアンプレヤブル宣言時の2打罰救済オプション

ゴルフの新ルール バンカー内でアンプレヤブル宣言時の2打罰救済オプション

2019年のルール改正で、アマチュアゴルファーにとって非常に大きな助けとなる新しい選択肢が加わりました。それが、アンプレヤブル(プレー不可能)を宣言した際の「2打罰でのバンカー外救済」です。

ボールがバンカーの壁に突き刺さったり、アゴの真下にあったりして、どう考えても脱出が困難な場合があります。そんな時に「アンプレヤブル」を宣言すると、以下の救済オプションから選べます。

救済オプション罰打処置の内容こんな時におすすめ
① 元の場所から打ち直し1打罰最後にプレーした場所のできるだけ近くにドロップしてプレーする。確実にフェアウェイから打てていた場合など。
② 後方線上のバンカー内にドロップ1打罰ホールとボールを結んだ後方線上のバンカー内にドロップする。バンカーショットには自信があるが、今のライからでは打てない場合。
③ 2クラブレングス以内にドロップ(バンカー内)1打罰ボールがあった地点を基点に、ホールに近づかない2クラブレングス以内のバンカー内にドロップする。②の選択肢よりも良いライがバンカー内で選べる場合。
④ 後方線上のバンカー外にドロップ2打罰ホールとボールを結んだ後方線上のバンカーの外にドロップする。(新ルール)バンカーが苦手で、何打叩くか分からない状況。大叩きを避けたい時。

この④の選択肢は、1打罰のオプションに比べて罰打は1つ多くなりますが、「確実にバンカーから脱出できる」という絶大なメリットがあります。バンカーが苦手な方や、1ホールで大叩きしたくないコンペなどでは、非常に有効な戦略的選択肢と言えるでしょう。

ゴルフ規則が分かりやすく解説された書籍をAmazonで探す

豆知識:スコアアップへの賢い投資とは?

自分に合うクラブを見つけることは、スコアアップへの最短ルートです。ですが、必ずしも新品にこだわる必要はありません。賢いゴルファーほど「中古」という選択肢をうまく活用し、予算を練習やラウンド費用に充てています。

これで完璧!バンカーでのソールがOKか迷う特殊ケースと関連ルール

基本的なルールを理解した上で、次にコースで遭遇しうる少し特殊なケースや、混同しやすい関連ルールについて解説します。これらの知識があれば、どんな状況でも自信を持って的確な判断ができるようになります。

  • フェアウェイでソールはNG!グリーン周りとルールは同じ
  • 【特殊ケース】砂がほとんどないベアグラウンドのバンカーでは?
  • ゴルフの新ルール!水たまりは無罰または1打罰での救済が可能
  • 打った後の素振りはボールが外にあれば罰なし
  • ティーイングエリア内でチョロはエリア内なら無罰で打ち直せる

フェアウェイでソールはNG!グリーン周りとルールは同じ

フェアウェイの途中に設置された「フェアウェイバンカー」。グリーン周りのガードバンカーとは距離があるため、ルールが違うのではないかと考える方もいますが、ルール上の扱いは全く同じです。

つまり、フェアウェイバンカーであっても、ボールがその中にある限り、アドレスや練習スイングでクラブをソールすることはできません。違反すれば、ガードバンカーと同じく2打罰となります。

ただし、一部のゴルフ場ではローカルルールでソールを許可していたり、「ウエストエリア」と呼ばれる、バンカーのようでハザード扱いではない砂地(ソール可)が設定されていたりする場合があります。不明な場合は、プレー前にマスター室などで確認しておくと安心です。

【特殊ケース】砂がほとんどないベアグラウンドのバンカーでは?

ゴルフコースのバンカーに座り込み、困った表情で耳に手を当てているゴルファーの横にティーアップされたゴルフボールがある。

コースによっては、雨で砂が流されたり、メンテナンスが行き届いていなかったりして、砂がほとんどなく地面がむき出しになった固いバンカーに遭遇することがあります。このような状況では、「砂がないのだからソールしても良いのでは?」と考えてしまいがちですが、答えは「原則としてNG」です。

その理由は、たとえ砂がなくても、その区域が「バンカー」として定義されている限り、バンカーのルールが適用されるからです。ルールは「砂質のテスト」を防ぐことを目的としており、砂がないからといって地面にソールしてしまうと、地面の硬さをテストする行為とみなされ、ルールの公平性が損なわれてしまいます。

ただし、多くのゴルフ場では、このような砂のないバンカーを「修理地」としてローカルルールで定めている場合があります。修理地であれば、罰なしで救済(ボールを拾い上げて、バンカー内の別の場所にドロップするなど)を受けられる可能性があります。

固い地面からのバンカーショットは非常に難しく、クラブを傷つけるリスクもあります。自己判断でソールして2打罰を受ける前に、「このバンカーは修理地扱いになりますか?」と同伴者やキャディさんに確認するか、分からなければルール通りクラブを浮かせて打つのが最も安全な選択です。原則はソールNGとしっかり覚えておきましょう。

ゴルフの新ルール!水たまりは無罰または1打罰での救済が可能

雨の日のラウンドなどで、バンカー内に水たまり(ルール上は「一時的な水」)ができてしまうことがあります。これは「異常なコース状態」とみなされ、プレーヤーは罰なし、または1打罰で救済を受けることができます。

  • 無罰の救済(バンカー内):
    まず、その水たまりを完全に避けられ、かつホールに近づかない、バンカー内の最も近い地点(ニヤレストポイント)を決めます。そこから1クラブレングス以内のバンカー内にボールをドロップしてプレーします。バンカー全体が水浸しの場合でも、最も水深が浅い場所にドロップしなければなりません。
  • 1打罰の救済(バンカー外):
    バンカー内での無罰の救済が困難な場合、またはそれを望まない場合は、1打罰を加えて、ホールとボールがあった地点を結んだ後方線上のバンカー外にドロップすることも選択できます。

どちらの救済を選ぶかは、バンカー内の状態と自身のバンカーショットの技量を考慮して戦略的に判断することが大切です。

打った後の素振りはボールが外にあれば罰なし

バンカーショットに成功した後、または失敗した後、悔しさや反省から、ついバンカー内でクラブを砂に「トントン」と叩きつけたり、素振りをしたりした経験はありませんか?

この行為がペナルティになるかどうかは、「ボールがどこにあるか」で決まります。

  • ボールがまだバンカー内にある場合:
    この状態で砂に触れる素振りなどをすれば、それは次のショットのための「砂質のテスト」や「ライの改善」とみなされ、2打罰の対象となります。
  • ボールが完全にバンカーの外に出た後:
    この場合は、もうそのバンカーはプレーに関係のない場所になります。したがって、悔しさから砂を叩こうが、今のスイングを反省して素振りをしようが、一切ペナルティはありません。

ショット後の感情的な行動で不要な罰を受けないよう、ボールの行方をしっかり確認してから行動しましょう。もちろん、プレー後はきちんと砂をならすのがマナーです。

ティーイングエリア内でチョロはエリア内なら無罰で打ち直せる

バンカーのルールとは直接関係ありませんが、特にゴルフ初心者が混同しやすく、知っていると非常に得をするルールが「ティーイングエリア内でのチョロ」です。

ティーショットをチョロしてしまい、ボールがティーイングエリア(ティーマーカーで区切られた長方形の区域)から出ずに、その中にポトリと落ちて止まった場合、罰なしでそのボールを拾い上げ、再度ティーアップして打ち直すことができます。

  • 条件: ボールがストロークを行った「ティーイングエリア内」に静止している必要があります。
  • 自由な打ち直し: エリア内であれば、元の場所でなくても、ティーの高さを変えても、クラブを変更して打ち直すことも可能です。

これは2019年のルール改正で明確化された、非常にプレーヤーに優しいルールです。ボールがティーイングエリアから1cmでも出てしまうと、あるがままの状態でプレーしなければならないため、ボールの位置を正確に確認しましょう。

ルールだけじゃない!バンカーでスマートに振る舞うための必須マナー

ゴルフコースのバンカーにあるゴルフボールと、それに構えられたゴルフクラブのクローズアップ画像です。

ゴルフルールを正しく理解することはスコアを守る上で非常に重要ですが、それと同じくらい大切なのが、他のプレーヤーへの配慮、すなわち「マナー」です。特にバンカーでは、あなたの振る舞いが後続の組のプレーに直接影響を与えます。ルールを守るのは当然として、さらに一歩進んだ「デキるゴルファー」と思われるための、スマートなバンカーでのマナーを身につけましょう。

  • なぜバンカーをならす必要があるの?後続プレーヤーへの配慮
  • 正しいバンカーのならし方【図解ステップ】
  • どこから入って、どこから出るのが正解?

なぜバンカーをならす必要があるの?後続プレーヤーへの配慮

ゴルフグリーンのホールに半分収まったゴルフボールが、芝生の質感とともにクローズアップで捉えられています。

バンカーショットの後に砂をならすのは、単なるコース美化のためだけではありません。これは、後からプレーする人が不公平な状況に陥るのを防ぐための、ゴルファーとして果たすべき最も重要な責任の一つです。ゴルフは「あるがままにプレーする」のが大原則ですが、前の組のプレーヤーが作った足跡やショット跡は、「あるがまま」の自然な状態とは言えません。

もし、あなたが残した深い足跡のくぼみに、後続のプレーヤーのボールがすっぽりハマってしまったらどうでしょうか。その人は、本来受ける必要のなかった大きな不利益を被り、そのホールのスコアを台無しにしてしまうかもしれません。

お互いが公平な条件で、気持ちよくプレーを楽しむために、自分が作った凹みは必ず自分で元の平らな状態に戻す。このシンプルな配慮が、ゴルフというスポーツの根幹を支えています。バンカーをならす行為は、後続プレーヤーへの思いやりそのものなのです。

正しいバンカーのならし方【図解ステップ】

ゴルフバンカーの砂をレーキで均すゴルファーの足元と、バンカー手入れの説明文。

バンカーは、ただレーキでかき混ぜれば良いというものではありません。後続のプレーヤーが打ちやすいように、できるだけ均一で平らな状態に戻すのが理想です。以下の簡単なステップで、誰でもプロのように綺麗に砂をならすことができます。

  1. 凹んだ部分の砂を戻す
    まずはレーキの歯がついている方を使い、自分の足跡やボールがあった場所など、大きく凹んだ部分の周辺の砂を、優しく中央に引き寄せるようにして埋めていきます。
  2. 表面を平らに仕上げる
    次に、レーキを裏返して、歯のない平らな「背」の部分を使います。この平らな面を地面と平行になるように持ち、砂の表面を撫でるように滑らせながら後ずさりすると、驚くほど綺麗で滑らかな面に仕上がります。
  3. レーキの置き場所
    ならし終えたレーキは、他の人のプレーの邪魔にならないよう、バンカーの外に、飛球線と平行になるように置くのが一般的です。ゴルフ場によっては置き場所が決められている場合もあるので、それに従いましょう。

この一連の動作をスムーズに行うことで、プレーのリズムを崩すことなく、スマートな印象を与えることができます。「自分が使う前よりも美しく」を心がけ、丁寧にならす習慣をつけましょう。

知識を武器に、最高のパートナーを見つけましょう!

この記事で、クラブ選びの目はさらに養われたはずです。その知識を活かして、最高の1本を賢く手に入れませんか?以下の記事では、**購入で失敗しないための最後の答え**として、信頼できるショップだけを厳選して紹介しています。

どこから入って、どこから出るのが正解?

ゴルフコースで、バンカーの縁に立つゴルファーが、2つのゴルフボールのそばでクラブを構えている。

バンカーへの出入り方法にも、コースを保護し、安全を確保するためのマナーが存在します。それは、「アゴ(土手)が最も低い場所から入り、低い場所から出る」という鉄則です。ボールがどこにあっても、このルールは変わりません。

なぜなら、アゴの高い急斜面から出入りすると、足で砂を大きく崩してしまい、バンカーの形状を破壊する原因となってしまうからです。一度崩れたアゴを修復するのは非常に大変な作業です。また、急斜面では足を滑らせて転倒し、怪我をしてしまう危険性も高まります。

たとえボールの場所まで少し遠回りになったとしても、必ずアゴが低く、緩やかな場所を選んで出入りするようにしましょう。この小さな心がけが、コースのコンディションを良好に保ち、すべてのプレーヤーが安全にゴルフを楽しむために不可欠です。ボールに最短距離で向かうのではなく、バンカー全体を見て、最適な出入り口を見つける習慣をつけましょう。

総括:バンカーでのソールがOKか判断する重要ポイント

この記事で解説した、バンカーでのソールに関する重要ポイントをまとめます。

  • バンカーでのソールは原則禁止で、違反すると2打罰が科せられます。
  • アドレス時や練習スイングで砂に触れる行為は、ライの改善や砂質のテストとみなされ、ペナルティの対象です。
  • 「バンカーに入ったらクラブを浮かせる」という意識を常に持つことが、不要な罰を避ける基本です。
  • 例外として、転倒防止で体を支える、休憩でクラブを杖代わりにするなど、プレーに直接影響しない状況では罰なしで砂に触れられます。
  • 2019年の新ルールで、バンカー内の小石や木の葉(ルースインペディメント)を罰なしで取り除けるようになりました。
  • バンカーから脱出困難な場合、アンプレヤブルを宣言し、2打罰でバンカーの外からプレーできる新しい救済オプションが追加されました。
  • この2打罰救済は、大叩きを防ぐための有効な戦略的選択肢となります。
  • フェアウェイバンカーもガードバンカーとルールは同じで、ソールはできません。
  • バンカー内に水たまり(一時的な水)がある場合、無罰(バンカー内)または1打罰(バンカー外)での救済を受けられます。
  • ショット後、ボールが完全にバンカーの外に出た後であれば、バンカー内で素振りをしたり砂を叩いたりしても罰はありません。
  • ボールがまだバンカー内にある状態で砂に触れると、次のショットに対する違反とみなされます。
  • ルールを正しく理解する目的は、単に罰を避けるだけでなく、公平性を保ち、ゴルフというゲームの本質を楽しむためです。
  • 特殊な状況(ウエストエリアなど)ではローカルルールが適用される場合があるため、不明な点は事前に確認することが推奨されます。
  • 関連ルールとして、ティーイングエリア内でのチョロは、ボールがエリア内に留まれば無罰で再ティーアップして打ち直せます。
  • これらの知識を身につけることで、コースでの判断に迷いがなくなり、自信を持ってプレーに集中できるようになります。

ゴルフルールは複雑に見えますが、一つ一つの理由を理解すれば、決して難しいものではありません。特にバンカーのルールはスコアに直結する重要なポイントです。この記事を参考に、ルールを正しく理解し、次のラウンドでは自信を持ってバンカーに立ち向かってみてください。きっと、よりスムーズでストレスの少ないゴルフが楽しめるはずです。

バンカーのソールに関する「よくある質問」をプロが解説! (FAQ)

男性ゴルファーが、砂が舞い上がるバンカーからゴルフボールを打っている。

ここでは、バンカーのソールに関して、多くのゴルファーが抱くであろう細かな疑問について、Q&A形式でプロがお答えします。ルールブックだけでは分からない、実践的なコツや考え方を知ることで、あなたのバンカーへの苦手意識がなくなるかもしれません。

Q
クラブを浮かせて構えるのが苦手です。コツはありますか?
A

はい、多くの方が最初は戸惑うポイントですね。クラブを浮かせて安定して構えるには、「グリップを指2本分ほど短く握り、普段より少しだけ膝を深く曲げて重心を落とす」のが非常に効果的です。

クラブを短く握ることで、ヘッドが自分の体の近くに来るため操作性が増し、手元が安定します。さらに、膝を曲げて腰を少し落とすことで、下半身がどっしりと安定し、腕の力に頼らなくてもヘッドを浮かしたままスイングの体勢をキープしやすくなります。

練習場で、まずはボールを置かずに素振りをしてみてください。クラブヘッドが砂を「スルッ」と触らない、ギリギリの高さを保ってスイングする感覚を養うのが大切です。最初は違和感があるかもしれませんが、この姿勢こそがバンカーショット成功の第一歩です。慣れてくれば、これが当たり前の構えになりますので、ぜひ試してみてください。

Q
ボールを探している時に、足で砂をならしてしまっても大丈夫?
A

いいえ、それはペナルティの対象となる可能性が非常に高い危険な行為です。ボールがまだインプレー中(見つかっていない、またはプレーを終えていない状態)のバンカー内で、意図的に足で砂をならす行為は「ライの改善」とみなされ、2打罰を科せられることがあります。

その理由は、もしボールが、あなたがならした場所の近くで見つかった場合、あなたは意図せずして次のショットがしやすい状況を作り出してしまったことになるからです。特にボールが深く砂に潜っている場合、周囲の砂の状態はショットに大きく影響します。

ボールを探す際は、足元に注意を払いながら慎重に歩き、手やクラブはもちろん、足を使って砂の状態をテストしたり、改善したりすることがないようにしなければなりません。見つかったボールは、いかなる状態であっても「あるがまま」でプレーするのがゴルフの鉄則です。

Q
バンカーの縁にクラブを置くのはOK?
A

これは非常に良い質問ですね。答えを明確に分けると、バンカーの「」の芝生の上に置くのは全く問題ありません。しかし、バンカーの「」の砂の斜面や縁にクラブを置くことは、ペナルティにつながる可能性があるため避けるべきです。

クラブをバンカー内の砂の上に置くと、その重みで砂が崩れ、ボールに影響を与えてしまう(ライの改善)リスクがあります。また、意図せず「砂質のテスト」をしたと判断される可能性もゼロではありません。

特に、ボールがアゴの近くにあるような状況では、すぐそばの縁に置いたクラブが原因で砂が崩れ、ボールが動いてしまうと、さらに1打罰(合計で3打罰になる可能性も)という最悪の事態も考えられます。余計なトラブルを避けるためにも、「バンカーの中には、これから打つ1本のクラブ以外は持ち込まない」と覚えておくのが最も安全でスマートな対応です。

この記事を参考に、ルールを正しく理解し、次のラウンドでは自信を持ってバンカーに立ち向かってみてください。きっと、よりスムーズでストレスの少ないゴルフが楽しめるはずです。

参考
PING
この記事を書いた人
フェアウェイ伯爵

初めまして、「Luxury Golf Style」へようこそ。
当サイトは、ゴルフというスポーツを“ラグジュアリーな視点”から楽しむすべての方に向けた情報発信メディアです。
高級ゴルフ場のレビュー、上質なギアやウェアの紹介、贅沢なゴルフ旅の提案など、ワンランク上のゴルフライフを追求するコンテンツをお届けします。

ゴルフは単なるスポーツではなく、“生き方”を映すもの。
そんな想いで、あなたのゴルフライフがより豊かになるようなお手伝いができれば幸いです。

フォローする
タイトルとURLをコピーしました