アイアンショットでボールが意図せず左に曲がってしまう、「アイアンが捕まりすぎる」という悩みを抱えていませんか。せっかく良い当たりだと思っても、ボールがフックしてOBゾーンに消えていくとスコアメイクに大きく響きます。この問題の根本的な原因は、スイング技術とクラブセッティングの両方に隠されています。しかし、正しい知識を身につければ、この厄介なフックボールは克服可能です。
本記事では、アイアンが捕まりすぎる現象について、その原因から具体的な直し方、さらにはシャフト選びや鉛を使った応急処置まで、あらゆる角度から徹底的に解説します。この記事を最後まで読めば、なぜ自分のアイアンが左に巻くのかが明確に理解でき、明日からの練習やラウンドで実践できる具体的な解決策が手に入ります。ゴルフのルールやエチケットに関する情報は日本ゴルフ協会でも確認できますが、ここでは技術的な側面に特化して掘り下げていきましょう。
- アイアンが左に巻く根本原因はインパクト時のフェース被り
- 直し方の鍵は「手打ち」を防ぐ下半身リードのスイング
- シャフト選びが球筋の安定に極めて重要
- 応急処置として鉛を使ったチューニングも有効
アイアンが捕まりすぎるのはなぜ?フックする根本原因と直し方

アイアンが捕まりすぎる、つまりフックや引っ掛けが多発する背景には、スイングにおける技術的な問題が深く関わっています。ここでは、その根本原因を多角的に分析し、効果的な修正アプローチを探ります。グリップの握り方から体の使い方、クラブごとの特性まで、一つずつチェックしていきましょう。
- 左に巻く原因はインパクト時のフェース被り
- フックする原因は過度なストロンググリップにある
- ゴルフで左に巻いてしまうのは体の回転不足による手打ちが問題
- ショートアイアン 捕まりすぎは重心距離が短く元々捕まりやすい
- アイアンだけフックするのはクラブ構造と打ち方の不一致
- ハンドファーストが強すぎると左への引っ掛けの原因になる
- フックの直し方は下半身リードのスイングが鍵
左に巻く原因はインパクト時のフェース被り

アイアンショットが左に巻く最も直接的な原因は、インパクトの瞬間にクラブフェースがスイング軌道に対して閉じて(左を向いて)当たること、いわゆる「フェース被り」です。ゴルフボールの飛び出す方向はインパクト時のフェースの向きに大きく影響され、その後の曲がり方(スピン)はスイング軌道との関係で決まります。
たとえスイング軌道が理想的なインサイドアウトであっても、フェースが必要以上に被っていればボールは真っ直ぐ左に飛び出す「引っ掛け」になります。また、軌道に対してフェースが閉じていれば、ボールに強烈なフックスピンがかかり、最初は真っ直ぐ飛んでも途中から大きく左へカーブする「フック」となるのです。
このフェース被りを引き起こす要因は一つではありません。グリップの握り方、アドレスの向き、体の回転、手首の使い方など、スイングの一連の動作の中に複数の原因が潜んでいます。なぜフェースが被ってしまうのか、その根本的な要因を次の項目から一つずつ掘り下げていくことが、問題解決への第一歩となります。まずは「自分のスイングのどこかで、フェースを閉じる動きが過剰になっている」という事実を認識することが重要です。
フックする原因は過度なストロンググリップにある

アイアンでフックする原因として、非常に多くのゴルファーに共通するのが「過度なストロンググリップ(フックグリップ)」です。ストロンググリップ自体は、ボールを捕まえやすくする効果があるため一概に悪いわけではありません。しかし、その度合いが強すぎると、スイング中にフェースが自然に返りすぎてしまい、インパクトで被ってフックを誘発します。
あなたのグリップは大丈夫?チェックポイント
このグリップは、スライスに悩む初心者がボールを捕まえようとして無意識に身につけてしまうことが多いパターンです。しかし、ある程度上達してヘッドスピードが上がってくると、このグリップが逆に「捕まりすぎ」を引き起こす原因へと変化します。フックに悩んでいるなら、まずはグリップをより自然な「スクエアグリップ」に見直すことから始めましょう。体の正面でクラブを合わせ、両手のV字が右肩と首の間あたりを指すように調整するだけで、球筋が劇的に改善されるケースは少なくありません。
ゴルフで左に巻いてしまうのは体の回転不足による手打ちが問題

ゴルフでボールが左に巻いてしまう最大の原因は、技術的には「体の回転不足による手打ち」にあると言っても過言ではありません。ダウンスイングで腰や肩の回転が止まってしまうと、クラブを振る動力が腕の力だけに頼ってしまいます。この状態になると、腕や手首を無理に返して(リストターンして)ボールを捕まえにいこうとするため、フェースが急激に閉じて強烈なフックやチーピンを引き起こすのです。
本来、理想的なスイングは下半身がリードし、その回転に上半身と腕がついてくることで生まれる「ボディターン」です。体幹という大きな筋肉を使うことで、スイングは安定的かつパワフルになります。手打ちは、このボディターンができていない証拠であり、以下のようなデメリットがあります。
特にアイアンは、ドライバーに比べてクラブが短く操作しやすいため、無意識に手で合わせにいく動きが出やすいクラブです。ボールを正確に捉えたいという意識が、かえって体の回転を止めてしまうことも少なくありません。左へのミスが止まらない時は、「もっと真っ直ぐ打とう」と意識するのではなく、「もっと体を使って楽に振ろう」と考えることが、根本的な解決に繋がります。グリップエンドが常におへそを指しているようなイメージで、体と腕の一体感を持ってスイングする練習が効果的です。
ショートアイアン 捕まりすぎは重心距離が短く元々捕まりやすい

「ロングアイアンやミドルアイアンは大丈夫なのに、なぜかショートアイアンだけ捕まりすぎて左に引っ掛けてしまう」という経験はありませんか。この現象には、ショートアイアンが持つクラブ自体の構造的な特性が大きく関係しています。
ショートアイアン(8番、9番、ピッチングウェッジなど)は、ロングアイアンに比べて以下のような特徴があります。
これらの特性から、ショートアイアンはもともと「フックしやすいクラブ」であると言えます。ドライバーやロングアイアンと同じ感覚で、ボールを捕まえにいこうとリストターンを強く使ったり、体を突っ込ませたりすると、その捕まりやすい性能が過剰に働き、左へのミスに直結してしまうのです。
ショートアイアンを打つ際は、「捕まえにいく」のではなく「体の回転でシンプルに打つ」という意識が重要です。手先の動きは極力抑え、コンパクトなトップから体の回転でボールをターフごと運んでいくイメージを持つと、過度なフェースターンを防ぎ、方向性が安定します。
アイアンだけフックするのはクラブ構造と打ち方の不一致
ドライバーの弾道は安定しているのに、なぜかアイアンだけフックしてしまう、という悩みもよく聞かれます。この「アイアンだけフック病」は、多くの場合、ドライバーとアイアンのクラブ構造の違いと、それに対応したスイングができていない「打ち方の不一致」が原因です。
ドライバーとアイアンでは、主に以下のような違いがあります。
項目 | ドライバー | アイアン |
---|---|---|
打ち方 | アッパーブロー(最下点を過ぎて上昇軌道で打つ) | ダウンブロー(最下点の手前で下降軌道で打つ) |
クラブの長さ | 長い | 短い |
ライ角 | フラット | アップライト |
重心距離 | 長い(捕まりにくい) | 短い(捕まりやすい) |
シャフトのしなり | しなりを感じやすい | しなりを感じにくい |
ドライバーでボールを捕まえるために、インサイドアウト軌道を強めたり、リストターンを積極的に使ったりするスイングを身につけているゴルファーは少なくありません。その同じ感覚で、元々捕まりやすい性質を持つアイアンを打つと、どうなるでしょうか。結果は明らかで、フェースが過剰に返ってしまい、強烈なフックや引っ掛けとなって現れます。
特に、ボールを右足寄りに置きすぎていたり、体重が右足に残りすぎたまま煽るように打っていたりすると、アイアンでは極端なインサイドアウト軌道となり、フックが止まらなくなります。
この問題を解決するには、「ドライバーとアイアンは別のクラブであり、打ち方も変える必要がある」と認識することが不可欠です。アイアンでは、ボールを真ん中(ショートアイアン)からやや左(ミドルアイアン)に置き、体重移動をしっかり行いながら、上からボールを潰すような「ダウンブロー」を意識することが重要です。この意識を持つことで、過度なリストターンが抑制され、適正なインパクトを迎えることができるようになります。
ハンドファーストが強すぎると左への引っ掛けの原因になる
ハンドファーストは、アイアンをダウンブローに打ち、ボールに適切なスピンをかけて力強い弾道を生むために不可欠な要素です。しかし、このハンドファーストも「過ぎたるは猶及ばざるが如し」。意識が強すぎると、かえって左への強い引っ掛けやフックの原因となってしまいます。
ハンドファーストが強すぎることによる弊害は以下の通りです。
- フェースが左を向く: 手元が目標方向に大きく先行すると、その分クラブフェースはシャット(閉じる方向)に動きやすくなります。インパクトでフェースが被った状態で当たるため、ボールは真っ直ぐ左に飛び出しやすくなります。
- ロフトが立ちすぎる: ハンドファーストの度合いが強まると、アイアン本来のロフト角よりも立った状態でインパクトを迎えます。例えば7番アイアンが5番アイアンのようなロフト角で当たることになり、ボールが上がらず、低くて強いフックボールが出やすくなります。
- ダフリの原因にも: リーディングエッジ(刃の部分)から地面に刺さりやすくなるため、少しでも手前に入るとザックリとしたダフリのミスを誘発します。
プロゴルファーのような極端なハンドファーストは、高いヘッドスピードと正確なボディターンがあって初めて成り立つものです。多くのアマチュアゴルファーが形だけを真似しようとすると、体の回転が止まったまま手だけが前に出てしまい、結果的にフェースを被せてしまう「手打ちのハンドファースト」になりがちです。
適切なハンドファーストの目安は、アドレスした時にグリップエンドが左股関節の内側あたりを指す程度です。それ以上に手元を無理に前に出す必要はありません。ボールをクリーンに捉えようとする自然なスイングの中で、結果的に生まれるのが理想のハンドファーストだと考えましょう。
フックの直し方は下半身リードのスイングが鍵

これまで見てきたフックの様々な原因、例えば「手打ち」「過度なリストターン」「強すぎるハンドファースト」などは、突き詰めると「体と腕の動きが同調していない」という一点に集約されます。そして、この問題を根本から解決する直し方の鍵こそが、「下半身リード」のスイングを習得することです。
下半身リードとは、ダウンスイングの始動を腕や手からではなく、左足への踏み込みや腰の回転から始める意識のことです。これにより、以下のような好循環が生まれます。
この下半身リードのスイングを身につけるための具体的な練習ドリルをいくつか紹介します。
- 左脇にタオルを挟むドリル: 左脇にタオルやヘッドカバーを挟んだままスイングします。手打ちになるとすぐにタオルが落ちてしまうため、体と腕の一体感を養うのに最適です。
- スプリットハンドドリル: グリップを握る際に、左右の手を少し離して握ります。この状態でスイングすると、手首をこねる動きができなくなり、体の回転で打つ感覚が掴みやすくなります。
- ステップ打ちドリル: アドレスで両足を揃え、バックスイングと同時に左足をターゲット方向に踏み出しながらスイングします。強制的に下半身から動き出すため、下半身リードの正しい順番を体に覚え込ませることができます。
これらのドリルを継続することで、フックの根本原因である手打ちから脱却し、安定した球筋を手に入れることができるでしょう。
アイアンの捕まりすぎる悩みをクラブ知識とセッティングで解決

スイングの改善と並行して、クラブセッティング、特にシャフトを見直すことは、アイアンが捕まりすぎる問題を解決するための非常に効果的なアプローチです。自分のスイングタイプやパワーに合っていないクラブを使い続けることは、技術の向上を妨げるだけでなく、新たなミスを誘発する原因にもなります。ここでは、道具の観点からフックを抑制する方法を詳しく解説します。
- シャフトの見直しで球筋は安定する
- 左に巻くならシャフトは元調子系がおすすめ
- フックしにくいシャフトは先端が硬いモデル
- フックを誘発するシャフトは柔らかすぎるスペック
- 鉛をトゥ側に貼るとフックを抑制できる
- オーバースペックの症状はダフリや飛距離ロス
- 7番で150ヤード打つにはHS40m/s前後が必要
- ゴルフで90を切れる人は全体の約2割という現実
シャフトの見直しで球筋は安定する

アイアンが捕まりすぎるという悩みに対し、スイング練習だけで解決しようとするのは非常に困難な場合があります。なぜなら、使用しているアイアンシャフトがあなたのスイングに合っていない可能性が高いからです。シャフトはクラブの「背骨」とも言える重要なパーツであり、その特性(重さ、硬さ、しなり方)がインパクト時のフェースの向きに直接的な影響を与えます。
例えば、ヘッドスピードに対して柔らかすぎるシャフトを使っていると、ダウンスイングでシャフトが過剰にしなり、インパクトでフェースが急激に返ってしまいます。これが、意図しないフックや引っ掛けの大きな原因となるのです。いくらスイングを修正しようとしても、クラブ自体が左に飛ぶように動いてしまうため、なかなか改善されません。
逆に、自分のスイングタイプに合ったシャフトを選ぶことで、以下のようなメリットがあります。
- タイミングの安定: 適正な硬さ、重さのシャフトは、切り返しで安定したしなりを生み、毎回同じタイミングで振りやすくなります。
- ミスの抑制: フックを抑える特性を持つシャフト(元調子や先端が硬いモデルなど)は、過度なフェースターンを物理的に防いでくれます。
- スイングの改善: 手先で操作しにくい適度な重さのシャフトは、体全体を使ったスイングを促し、手打ちの矯正にも繋がります。
クラブフィッティングの専門家は、「アマチュアゴルファーのミスの7割はシャフトが原因」と指摘することもあります。もしあなたが長年アイアンのフックに悩み、練習しても改善が見られないのであれば、一度シャフトの見直しを真剣に検討してみるべきです。それは、遠回りのようでいて、実は最も確実な上達への近道かもしれません。
左に巻くならシャフトは元調子系がおすすめ
アイアンシャフトには、スイング中にどの部分が最もしなるかを示す「キックポイント(調子)」という特性があります。これは大きく「元調子」「中調子」「先調子」の3種類に分けられ、球の捕まり具合に大きく影響します。もしアイアンが左に巻くことに悩んでいるなら、「元調子」のシャフトを選ぶのがおすすめです。
キックポイント | しなる部分 | 特徴 | おすすめのゴルファー |
---|---|---|---|
元調子 (High) | グリップに近い手元側 | しなり戻りが緩やかで、インパクトでヘッドが返りにくい。左へのミスを抑えやすい。弾道は低めになる傾向。 | フックや引っ掛けに悩む人。叩きにいくタイプのヒッター。 |
中調子 (Mid) | シャフトの中間部分 | 元調子と先調子の中間的な性能。多くのゴルファーに合いやすく、純正シャフトに多い。癖がなく扱いやすい。 | 幅広いタイプのゴルファー。シャフトに特にこだわりがない人。 |
先調子 (Low) | ヘッドに近い先端側 | しなり戻りが大きく、ヘッドが走りやすい。ボールが捕まりやすく、上がりやすい。弾道は高めになる傾向。 | スライスに悩む人。ボールが上がらない人。楽に飛ばしたいスインガー。 |
このように、元調子(手元調子とも言う)のシャフトは、ダウンスイングでシャフトがしなり、インパクトに向かってしなり戻る動きが非常に緩やかです。そのため、リストターンを強く使ったり、体が突っ込んだりしても、フェースが急激に返るのをシャフトが抑制してくれます。これにより、インパクトが安定し、左への大きなミスを防ぐことができるのです。
現在、多くのアイアンに標準で装着されている純正シャフトは、幅広いゴルファーに合うように中調子に設計されていることが多いです。もしあなたがフックに悩んでいるなら、一度カスタムシャフトとしてラインナップされている元調子系のモデルを試打してみる価値は十分にあります。クラブフィッティングなどで専門家に相談し、自分のスイングに最適な一本を見つけることが、悩み解決の特効薬となるでしょう。
フックしにくいシャフトは先端が硬いモデル

アイアンの捕まりすぎを防ぐ上で、キックポイントと並んで重要なのがシャフトの「剛性」、特にヘッドに近い「先端(Tip)側」の硬さです。結論から言うと、フックしにくいシャフトは、この先端側が硬く設計されているモデルです。
シャフトの先端部分は、インパクトの瞬間にヘッドの向きをコントロールする非常に重要な役割を担っています。この部分が柔らかいと、ダウンスイングの遠心力やヘッドの重みによってシャフトがねじれる「トルク」が大きくなり、インパクトでフェースが返りやすくなります。これがボールを捕まえる動きに繋がりますが、フッカーにとっては過剰な捕まり、つまり左へのミスの原因となります。
一方、先端側が硬いシャフトは、インパクト時のねじれが少なく、ゴルファーが意図した通りのフェース向きでボールを捉えやすくなります。たとえスイング中にフェースを返す動きが入ったとしても、シャフトがその動きを抑制し、ヘッドが暴れるのを防いでくれるのです。これにより、以下のようなメリットが生まれます。
左へのミスを恐れずにしっかりと振り抜きたいゴルファーにとって、先端が硬いシャフトは心強い味方となります。代表的なモデルとしては、「N.S.PRO MODUS3 TOUR 120」や「Project X」シリーズなどが挙げられます。これらのシャフトを試してみることで、あなたのアイアンショットはより安定したものになるでしょう。
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フックを誘発するシャフトは柔らかすぎるスペック

フックが止まらない原因として、スイングだけでなくクラブ側、特にシャフトの「硬さ(フレックス)」が合っていないケースは非常に多いです。中でも、ご自身のヘッドスピードに対して「柔らかすぎるスペック」のシャフトを使っていることは、フックを誘発する典型的なパターンです。
シャフトは、硬さによって「X(Extra Stiff)」「S(Stiff)」「SR(Stiff Regular)」「R(Regular)」「A(Average)」「L(Lady)」といったフレックスに分類されます。ヘッドスピードが速いゴルファーが柔らかいフレックス(例えば、ヘッドスピード45m/sの人がRシャフト)を使うと、以下のような現象が起こります。
「シャフトはしなる方が飛ぶ」というイメージがあるため、少し柔らかめのスペックを選ぶゴルファーもいますが、フックに悩んでいる場合は逆効果です。むしろ、ワンフレックス硬いモデル(RならS、SならX)を試してみると、シャフトの余計な動きが抑えられ、インパクトが安定し、結果的に方向性も飛距離も向上することがよくあります。
自分のヘッドスピードがわからない場合は、ゴルフショップや練習場の計測器で一度測ってみることを強くおすすめします。客観的なデータに基づいて適正なフレックスのシャフトを選ぶことが、フック撲滅への重要な一歩となります。
鉛をトゥ側に貼るとフックを抑制できる

スイングやシャフトをすぐには変えられないけれど、応急処置としてアイアンの捕まりすぎを何とかしたい、という場合に非常に有効なのが「鉛(なまり)テープ」を使ったチューニングです。特に、アイアンヘッドの「トゥ側(ヘッドの先端側)」に鉛を貼ることで、フックを抑制する効果が期待できます。
このチューニングの原理は、ヘッドの重心位置を変化させることにあります。
鉛を貼る際のポイント
鉛テープはゴルフショップで手軽に購入でき、コストもかかりません。ラウンド中に突然フックが止まらなくなった時の緊急対策としても役立ちます。クラブを買い替える前の「お試し」として、一度この鉛チューニングを実践してみてはいかがでしょうか。
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オーバースペックの症状はダフリや飛距離ロス

アイアンが捕まりすぎるのとは逆に、「ボールが捕まらない」「右にばかり飛ぶ」という悩みも多く聞かれますが、実はこれも含め、様々なミスの原因がクラブの「オーバースペック」にある可能性があります。オーバースペックとは、自分の体力やヘッドスピードに対して、クラブが重すぎたり、シャフトが硬すぎたりすることを指します。
アマチュアゴルファーは、プロが使うモデルへの憧れなどから、見栄を張って自分には難しいクラブを選んでしまう傾向があります。しかし、オーバースペックのクラブを使い続けることには、多くのデメリットしかありません。
オーバースペックの主な症状
「アイアンは少し重い方が手打ちにならずに良い」と言われることもありますが、それはあくまで「適度な重さ」であることが前提です。ラウンドの後半になると、明らかに振れなくなったり、ミスが増えたりする場合は、オーバースペックを疑うべきサインです。一度、ゴルフショップなどで自分に合ったスペックのクラブを試打してみると、あまりの振りやすさと安定性に驚くかもしれません。
7番で150ヤード打つにはHS40m/s前後が必要

多くのアマチュアゴルファーにとって、「7番アイアンで150ヤード」は一つの目標であり、番手選びの基準となっていることが多いようです。しかし、この距離を安定してキャリー(ボールが地面に落ちるまでの距離)で打つためには、どのくらいのヘッドスピード(HS)が必要なのでしょうか。
一般的に、7番アイアンでキャリー150ヤードを打つには、ヘッドスピード40m/s前後が必要とされています。これは、ドライバーのヘッドスピードに換算すると、おおよそ43m/s~45m/sに相当し、アマチュア男性ゴルファーの中では比較的パワーがある方に分類されます。
多くの方が「自分は7番で150ヤード飛ぶ」と感じているのは、練習場のボール(通常のコースボールより飛ぶことがある)や、ラン(着地してからの転がり)を含んだ総飛距離を見ているケースがほとんどです。グリーンを直接狙うアイアンショットにおいて最も重要なのは、ランを含まない「キャリー」の飛距離です。
ヘッドスピードと7番アイアンの平均キャリー目安
ドライバーHS | 7番アイアンHS | 平均キャリー |
---|---|---|
38 m/s | 34 m/s | 約125ヤード |
40 m/s | 36 m/s | 約135ヤード |
42 m/s | 38 m/s | 約145ヤード |
45 m/s | 40 m/s | 約155ヤード |
この表からもわかるように、一般的なアマチュアゴルファーの7番アイアンの平均キャリーは130~140ヤード程度です。150ヤード先のグリーンを狙うのであれば、無理に7番で打つのではなく、6番や5番アイアンを選択するのが賢明なコースマネジメントと言えます。自分の本当のキャリー飛距離を正確に把握することが、スコアメイクの鍵となります。アイアンが捕まりすぎる悩みも、無理な番手で力んで振っていることが原因の一つかもしれません。
ゴルフで90を切れる人は全体の約2割という現実

多くのアマチュアゴルファーが目標として掲げる「スコア90切り」。これはゴルフにおける一つの大きなステータスであり、中級者から上級者へのステップアップを意味します。しかし、実際にこの壁を乗り越えられるゴルファーは、一体どのくらいいるのでしょうか。
様々な調査データがありますが、一般的に平均スコアでコンスタントに90を切れる(80台で回れる)ゴルファーは、全体の約15%~20%程度と言われています。これは、ゴルフ場に来場するゴルファーのうち、おおよそ5人から6人に1人という割合であり、決して簡単な目標ではないことがわかります。
スコア分布の目安(日本パブリックゴルフ協会調査参考)
平均スコア | 割合 |
---|---|
70台 | 約2% |
80台 | 約16% |
90台 | 約38% |
100台 | 約28% |
110台以上 | 約16% |
最もゴルファー人口が多いボリュームゾーンは「90台」であり、多くの人がこの「90の壁」に苦しんでいることがデータからも見て取れます。
スコア100を切るためには、ドライバーでの大きなミスを減らし、アプローチやパターで大叩きしないことが重要です。しかし、そこから90を切るためには、パーオン率を上げる、あるいはパーオンを逃してもボギーで収める確率を高める必要があります。そのために不可欠となるのが、まさに「アイアンショットの精度」です。狙った方向に、狙った距離を安定して打てるかどうかが、80台と90台のスコアを分ける大きな要因となります。アイアンが捕まりすぎるという悩みは、このレベルのゴルファーが直面する最もクリティカルな課題の一つであり、これを克服することが90切り達成への最短ルートと言えるでしょう。
総括:アイアンが捕まりすぎる原因を理解しスコアアップへ

この記事では、アイアンが捕まりすぎる原因とその解決策について、スイングとクラブの両面から詳しく解説してきました。最後に、今回の内容の重要なポイントをまとめます。
アイアンが捕まりすぎるという問題は、多くの要因が複雑に絡み合っています。しかし、一つずつ原因を特定し、正しい対策を講じれば必ず克服できます。この記事を参考に、ご自身のスイングやクラブを見直し、安定したアイアンショットを手に入れて、さらなるスコアアップを目指してください。
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