ウェッジのバウンスとロフトの組み合わせは、アプローチのザックリやトップといったミスを減らし、スコアメイクを安定させるために非常に重要です。
しかし、「自分にはどんなバウンス角が合うの?」「ウェッジのセッティングはどうすればいい?」といった悩みを持つゴルファーは少なくありません。
特に初心者の方にとっては、バウンス角の選び方は難しく感じるかもしれません。
この記事では、そんなウェッジ選びの悩みを解決します。結論から言うと、あなたのスイングタイプやよくプレーするコースの状況に合わせて、適切なバウンス角のウェッジを戦略的に組み合わせることが、スコアアップへの最短ルートです。
本記事では、以下の内容を詳しく解説していきます。
- スイングタイプやミスの傾向に合わせたバウンス角の基本的な選び方
- 初心者から上級者まで、レベル別におすすめのバウンス角とその理由
- ダフリに悩む人向けのハイバウンスウェッジおすすめモデル徹底レビュー
- 理想的な飛距離の階段を作るための、具体的なウェッジセッティングと組み合わせ例
この記事を最後まで読めば、もうウェッジ選びで迷うことはありません。自分に最適なウェッジのバウンスとロフトの組み合わせが見つかり、100ヤード以内のショットに自信が持てるようになります。
信頼性の高いゴルフクラブの情報を提供する日本ゴルフ用品協会のデータも参考にしつつ、あなたに合った一本を見つけましょう。
- ミスに強くなる!ウェッジのバウンスとロフトの組み合わせ基礎知識- バウンス角はスイングとコース状況で選ぶ
- 初心者はミスに強いハイバウンス角が基本
- 大きいバウンスはザックリ防止効果が高い
- ローバウンスは払い打つ上級者向け
- バウンス角のおすすめは汎用性の高いミッドバウンス
- おすすめはコレ!ダフリに悩む人向け厳選3モデル
- 【状況別】ウェッジのバウンス組み合わせとおすすめセッティング例
- バウンスのセッティングは流れが重要
- バウンス角は役割別に揃えるのがコツ
- バウンス角はロフト角との連携で考える
- 48-52-56度のセッティングがアマチュアの王道
- 52度と56度は距離と状況で使い分ける
- 50-54-58度のバウンス設定例
- バウンス10度はオールラウンドに使える基準値
- 56度バンス14はバンカー脱出の強い味方
- 総括:自分に合うウェッジのバウンスと組み合わせを見つけよう
 
ミスに強くなる!ウェッジのバウンスとロフトの組み合わせ基礎知識

このセクションでは、スコアメイクの鍵を握るウェッジのバウンスについて、その基本的な役割からあなたのプレースタイルに合わせた選び方までを徹底的に解説します。
なぜバウンスが重要なのか、そして自分に合ったバウンスを見つけるための知識を身につけることで、アプローチのミスは劇的に減らせるでしょう。
- バウンス角はスイングとコース状況で選ぶ
- 初心者はミスに強いハイバウンス角が基本
- 大きいバウンスはザックリ防止効果が高い
- ローバウンスは払い打つ上級者向け
- バウンス角のおすすめは汎用性の高いミッドバウンス
- おすすめはコレ!ダフリに悩む人向け厳選3モデル
バウンス角はスイングとコース状況で選ぶ

ウェッジのバウンス角を選ぶ上で最も重要なのは、このスイングタイプと、あなたが普段プレーするゴルフ場のコンディションを理解することです。
万人にとっての正解はなく、自分自身の特性に合わせることが失敗しない選び方の基本となります。
バウンス角選びは、主に「スイングの入射角」と「コースの地面の硬さ」という2つの要素で決まります。
まず、スイングの入射角です。クラブを鋭角に打ち込み、深いターフ(ディボット)を取るタイプのゴルファーは「ディガー」と呼ばれます。
このタイプの人は、クラブのリーディングエッジが地面に突き刺さりやすいため、ソールが滑ってくれる「ハイバウンス(12度以上)」が適しています。
一方、払い打つようにスイングし、ターフをほとんど取らない「スイーパー」タイプは、ハイバウンスだとソールが地面に跳ねてトップのミスが出やすくなります。
そのため、ボールをクリーンに拾いやすい「ローバウンス(8度以下)」が合うでしょう。
次に、コースコンディションです。雨上がりで地面がぬかるんでいたり、バンカーの砂が柔らかかったりするコースでは、ヘッドが潜りすぎないように「ハイバウンス」が有効です。
逆に、フェアウェイの芝が薄かったり、地面が硬く締まっているコースでは、ソールが弾かれるのを防ぐ「ローバウンス」が性能を発揮します。
自分のプレースタイルと環境を分析し、最適なバウンス角を見つけましょう。
初心者はミスに強いハイバウンス角が基本

少しミスをしてもクラブが助けてくれるのがハイバウンスの魅力です。ゴルフを始めたばかりの初心者や、アプローチに苦手意識があるアベレージゴルファーにとって、ウェッジのバウンス角は「ハイバウンス」を選ぶのがスコアアップへの近道と言えます。
初心者のうちは、まだスイングが安定せず、インパクトの打点がバラつきがちです。特にボールの手前の地面を叩いてしまう「ダフリ」は、最も出やすいミスの一つでしょう。
ハイバウンスウェッジは、ソールの出っ張りが大きいことで、このダフリのミスを効果的にカバーしてくれます。
インパクト時にソールが先に地面に当たることで、ヘッドが地面に深く突き刺さるのを防ぎ、滑るように抜けてくれるのです。
この「お助け機能」があることで、多少の打点ミスはクラブが許容してくれます。結果として、大きな失敗が減り、アプローチに対する心理的なプレッシャーも軽減されます。
まずはハイバウンスのウェッジを使い、成功体験を重ねることで自信をつけることが、ゴルフ上達において非常に重要です。
難しいクラブで悩むよりも、ミスに寛容なやさしいクラブを選ぶことが、賢明な選択と言えるでしょう。
大きいバウンスはザックリ防止効果が高い

ソールの出っ張りが地面に刺さるのを防ぎ、滑らせてくれるのがバウンスの役割です。
アプローチショットで最も避けたいミスの一つが「ザックリ」ですが、バウンス角が大きいウェッジ、つまりハイバウンスウェッジは、このザックリを防止する効果が非常に高いと言えます。
ザックリとは、クラブのリーディングエッジ(刃の部分)がボールの手前の地面に深く突き刺さってしまい、クラブが抜けずに飛距離を大きくロスするミスのことです。
これは精神的なダメージも大きく、一度やると次のショットでも怖くなってしまいがちです。
大きいバウンスは、このザックリの「保険」として機能します。インパクトの瞬間に、リーディングエッジよりも先にソールの出っ張った部分が地面に接触します。
これにより、エッジが地面に食い込むのを防ぎ、ヘッド全体がソールを滑らせるように動きます。たとえインパクトが少し手前に入ってしまっても、バウンスのおかげでヘッドが前進し、ボールをグリーンまで運んでくれるのです。
特に、ボールを上げようとしてすくい打ちになったり、緊張してインパクトが緩んでしまったりするゴルファーにとって、このザックリ防止効果は絶大です。
バウンスが大きいウェッジを選ぶことで、ミスへの恐怖心がなくなり、より自信を持ってアプローチショットに臨めるようになります。
ローバウンスは払い打つ上級者向け

繊細な技術を駆使して多彩なアプローチを打ちたいゴルファーにとって、ローバウンスは強力な武器になります。
バウンス角が小さい「ローバウンス(8度以下)」のウェッジは、一般的に上級者向けのクラブとされています。
その理由は、ハイバウンスのようなミスへの寛容性が低い代わりに、高い操作性を持っているからです。
ローバウンスの最大の特徴は、ソールの出っ張りが少ないため、地面に跳ね返されにくいことです。
これにより、芝が薄いフェアウェイや硬く締まった地面のような、いわゆる「タイトなライ」からでも、ボールをクリーンに拾うことができます。
ハイバウンスではソールが跳ねてトップしやすいような状況でも、ローバウンスならリーディングエッジをボールの下に滑り込ませることが可能です。
また、フェースを開いたり閉じたりして、ボールの高さやスピン量をコントロールしたいテクニカルなショットにも向いています。
フェースを開いてもリーディングエッジが浮きにくいため、高く上げて止めるロブショットなども打ちやすくなります。
ただし、これらのメリットは、正確なインパクト技術があってこそ活かされます。少しでも打点が手前に入ると、バウンスの助けが少ない分、ザックリのミスに直結します。
そのため、払い打つようにボールを的確に捉える技術を持つ上級者に適したウェッジと言えるでしょう。
バウンス角のおすすめは汎用性の高いミッドバウンス

様々な状況に対応できるバランスの良さがミッドバウンスの魅力です。ハイバウンスとローバウンス、どちらも一長一短がある中で、多くのアマチュアゴルファーにとって最もおすすめできるのが、その中間に位置する「ミッドバウンス(10度前後)」のウェッジです。
なぜミッドバウンスは「万能」で多くのゴルファーに合うのか?
ミッドバウンスの最大の魅力は、その名の通り「中庸」であること。つまり、ハイバウンスほどの過度な跳ね返りはなく、ローバウンスほど地面に刺さりやすくもない、という絶妙なバランス性能を持っています。
これにより、日本のゴルフ場で遭遇する多種多様なライコンディションに、一本で幅広く対応することが可能です。
ふかふかした芝、薄い芝、硬い地面、柔らかい砂、硬い砂など、どんな状況でも、大きなミスになりにくく、安定したパフォーマンスを発揮してくれます。
この「ちょうど良さ」が、アベレージゴルファーにとって最大の武器となるのです。
【体験レビュー】実際に感じたメリット:ザックリが減り距離感に集中できる
私自身も様々なバウンスを試しましたが、ミッドバウンスのウェッジを手にしてから、グリーン周りでの安心感が格段に向上しました。
以前はローバウンスでシビアなインパクトを求めていましたが、少しのミスがザックリに繋がり、恐怖心からインパクトが緩む悪循環に陥っていました。
しかしミッドバウンスに変えてからは、ソールが適度に滑ってくれるおかげで、ザックリの回数が激減。ミスへの不安が消えたことで、スイングそのものではなく「どのくらいの振り幅で打つか」という距離感の調整に集中できるようになりました。
これが結果的に、寄せワンの確率を高めることに繋がっています。
【正直に告白】デメリットと賢い対処法:薄い芝や硬いバンカーでは注意
もちろんミッドバウンスも完璧ではありません。本当に芝が薄いベアグラウンドのようなライや、カチカチに硬く締まったバンカーでは、ソールが跳ねてトップのミスが出る可能性があります。
このような極端な状況ではローバウンスに軍配が上がります。対処法としては、そういった状況ではフェースをあまり開かず、ボールを少し右足寄りに置いてクリーンに打つ意識を持つことです。
あるいは、セッティングの中に1本だけローバウンスのウェッジを入れておくと、対応の幅がさらに広がります。
プロや専門家の口コミ・評判を徹底調査
タイトリストのボーケイウェッジを開発したボブ・ボーケイ氏は「Bounce is your friend(バウンスはあなたの友達)」という言葉で有名ですが、彼の設計思想の中心にあるのも、多くのゴルファーに対応できるミッドバウンスです。
また、多くのクラブテスターや専門家も、「特定の悩みがなければ、まずは基準となるミッドバウンスから試すべき」と口を揃えます。
楽天などのレビューを見ても、「ザックリが減った」「抜けが良い」といった声が最も多く寄せられるのが、このミッドバウンスのクラブです。
【結論】ミッドバウンスはこんなゴルファーにこそ強くおすすめ!
結論として、ミッドバウンスウェッジは以下のようなゴルファーにこそ強くおすすめできます。
まずはこの万能なミッドバウンスを基準にし、そこから自分のスイングやプレースタイルに合わせて、よりハイバウンス、あるいはローバウンスへと調整していくのが、ウェッジ選びの王道と言えるでしょう。
おすすめはコレ!ダフリに悩む人向け厳選3モデル

ダフリに悩むゴルファーにとって救世主となり得るハイバウンスウェッジ。ここでは、特に評価が高く、アマチュアの強い味方になってくれる、おすすめの3モデルを厳選してレビューします。
【レビュー①】フォーティーン DJシリーズ|圧倒的なやさしさでザックリを撲滅

「アマチュアのためのクラブ」を追求するフォーティーンのDJシリーズは、まさに”ダフリ知らず”の代名詞。
最大の特徴は「リッジソール」と呼ばれる独特のソール形状です。このソールがインパクトでしっかりと仕事をし、どんなライからでも驚くほどスムーズにヘッドが抜けてくれます。
実際に使ってみると、多少手前からヘッドが入ってもソールが滑り、まるで何もなかったかのようにボールを運んでくれる感覚は感動的ですらあります。
「アプローチイップスが治った」という声が多いのも頷ける、圧倒的なやさしさが魅力です。ザックリに悩み、ゴルフが楽しくなくなってしまった人にこそ、まず試してほしい一本です。
在庫はAmazon、還元率は楽天。両方チェックが◎
 ポチップ
 ポチップ【レビュー②】クリーブランド CBXシリーズ|バンカーが驚くほど簡単になる

バンカーショットが苦手で、ホームランや脱出失敗を繰り返してしまうなら、クリーブランドのキャビティバックウェッジ「CBX」シリーズが最適です。
幅広の「ワイドソール」設計により、砂にヘッドが深く潜りすぎるのを徹底的に防ぎます。これにより、難しい技術を考えなくても、クラブが自動的に砂を爆発させてボールを外に出してくれます。
「バンカーが楽になった」という口コミが非常に多く、一度使うと手放せなくなるゴルファーが続出しています。
バンカーだけでなく、深いラフからのショットにも強いため、タフなコンディションでこそ真価を発揮する、頼れるウェッジです。
安心感はAmazon、お得感は楽天。
 ポチップ
 ポチップ【レビュー③】タイトリスト ボーケイ SM10(ハイバウンスモデル)|プロが認める安定感

「やさしいだけのウェッジは物足りない、操作性も欲しい」という中上級者には、ツアープロ使用率No.1を誇るタイトリストのボーケイデザインSM10のハイバウンスモデルがおすすめです。
ボーケイウェッジは、多彩なソールグラインド(ソールの削り方)が用意されており、同じハイバウンスでも様々なプレースタイルに対応できます。
特に「Kグラインド」は、幅広ソールでやさしさを持ちながら、ヒールとトゥを削ることでフェースを開いても使いやすい設計になっています。
プロが求めるスピン性能と打感を持ち合わせつつ、アマチュアのミスを許容してくれる安定感を両立した、まさに死角のないウェッジです。
どちらも価格が変動するので確認必須。
 ポチップ
 ポチップ【比較表】3モデルの概要と特徴|あなたに合う一本が分かる
| モデル名 | 主な特徴 | こんな人におすすめ | 
|---|---|---|
| フォーティーン DJ-6 | リッジソールによる究極の抜けの良さ、ザックリ防止性能 | とにかくアプローチのザックリをなくしたい人、イップス気味の人 | 
| クリーブランド CBX ZIPCORE | ワイドソール、キャビティ構造によるバンカーからの脱出性能 | バンカーショットがとにかく苦手な人、深いラフからのショットが多い人 | 
| タイトリスト VOKEY SM10 (K-Grind) | プロが求めるスピン性能と打感、多彩なソールグラインド | やさしさだけでなく、操作性や打感も重視したい中上級者 | 
実際に使っている人のリアルな口コミ・評判を調査
これらのモデルについて、実際のユーザーレビューを調査すると、やはり「やさしさ」に関する声が圧倒的です。
フォーティーンDJシリーズには「ダフリを怖がらずに振れるようになったらトップもなくなった」という悪循環からの脱出を喜ぶ声が。
クリーブランドCBXには「バンカーが苦痛でなくなった、ゴルフがまた楽しくなった」という感謝の声。
ボーケイSM10には「難しいイメージがあったけど、Kグラインドは本当にやさしい。スピンもすごい」と、性能の高さに満足する声が多く見られました。
いずれのモデルも、それぞれのコンセプト通り、ゴルファーの悩みを解決する明確な強みを持っていることがわかります。
【状況別】ウェッジのバウンス組み合わせとおすすめセッティング例

ウェッジは1本で完結するクラブではありません。複数本を戦略的に組み合わせることで、100ヤード以内のあらゆる状況に対応できるようになります。
このセクションでは、バウンスの基本を理解した上で、より実践的なウェッジのセッティング方法と、スコアアップに繋がる組み合わせの具体例を解説していきます。
- バウンスのセッティングは流れが重要
- バウンス角は役割別に揃えるのがコツ
- バウンス角はロフト角との連携で考える
- 48-52-56度のセッティングがアマチュアの王道
- 52度と56度は距離と状況で使い分ける
- 50-54-58度のバウンス設定例
- バウンス10度はオールラウンドに使える基準値
- 56度バンス14はバンカー脱出の強い味方
バウンスのセッティングは流れが重要

ウェッジのセッティングで最も大切なのは、番手間の「流れ」です。アイアンセットからの流れをスムーズに繋ぎ、各ウェッジがそれぞれの役割を明確に持つことで、距離の打ち分けや状況判断が格段にシンプルになります。
ウェッジセッティングの出発点は、あなたのアイアンセットに含まれるピッチングウェッジ(PW)のロフト角です。
最近のアイアンはロフトが立っている傾向があるため、まずはご自身のPWのロフト角を正確に把握することが第一歩となります。
そのPWのロフト角を基準にして、その下のウェッジ(アプローチウェッジやサンドウェッジ)を、飛距離が均等な階段になるように配置していきます。
一般的には、ロフト角を4度から6度刻みにするのがセオリーです。例えば、PWが44度なら、次は48度、52度、56度といった具合です。
このロフトの「流れ」がスムーズだと、フルショットで「この距離はこの番手」と迷うことなくクラブ選択ができます。
そして、このロフト角の流れに合わせて、バウンス角の流れも考慮することが重要です。一般的には、ロフト角が大きくなる(寝る)ほど、バウンス角も大きいモデルを選ぶのが基本です。
これにより、各ウェッジの役割がより明確になります。
バウンス角は役割別に揃えるのがコツ

各ウェッジに明確な役割を与えることが、セッティングを成功させるコツです。
ただロフト角を並べるだけでなく、「このウェッジは主に何に使うか」を想定し、それに最適なバウンス角を選ぶことで、コースでの判断が格段に速く、正確になります。
例えば、サンドウェッジ(SW/56度前後)の主な役割はバンカーショットです。そのため、砂の抵抗に負けずにヘッドを爆発させやすい「ハイバウンス」を選ぶのが定石です。
アプローチウェッジ(AW/52度前後)は、フルショットで100ヤード前後を打ったり、グリーン周りから転がしたり上げたりと、最も多様な使い方をするクラブです。
そのため、様々なライに対応できる「ミッドバウンス」が最も汎用性が高く、扱いやすいでしょう。
ピッチングウェッジとアプローチウェッジの間に飛距離のギャップがある場合に入れるギャップウェッジ(GW/48度前後)は、主にフルショットで距離をコントロールする役割が大きくなります。
そのため、芝の上からクリーンに打ちやすい「ローバウンス」や「ミッドバウンス」が適しています。
このように、それぞれのウェッジに「バンカー担当」「オールラウンダー」「距離の番人」といった役割を与え、その役割に最適なバウンス角を割り当てることで、機能的で無駄のないセッティングを組むことができます。
バウンス角はロフト角との連携で考える

ウェッジの性能はロフト角とバウンス角が密接に連携し、噛み合うことで最大限に発揮されます。ウェッジの組み合わせを考える際は、この二つの数値をセットで捉えることが不可欠です。
一般的に推奨される基本的な考え方は、「ロフト角が大きくなる(寝る)ほど、バウンス角も大きくする」というセオリーです。これは、各クラブの主な使用目的と密接に関係しています。
例えば、ロフトが最も大きいサンドウェッジやロブウェッジ(56度~60度)は、ボールを高く上げる必要があるバンカーや深いラフで使う場面が多くなります。
こうした状況では、ヘッドが地面や砂に潜りすぎるのを防ぐバウンスの効果が非常に重要になるため、ハイバウンス(12度以上)が適しています。
一方、アプローチウェッジ(50度~54度)は、フルショットからチップショットまで幅広く使います。様々なライから打つため、汎用性の高いミッドバウンス(10度前後)がバランスが良いとされています。
この「ロフトとバウンスの連携」を意識することで、セッティングに一貫性が生まれます。例えば、52度にミッドバウンス(10度)、58度にハイバウンス(14度)という組み合わせは、それぞれの役割が明確で非常に機能的です。
この基本原則を覚えておけば、クラブ選びで大きな失敗をすることはないでしょう。
48-52-56度のセッティングがアマチュアの王道

48-52-56度のセッティングは、多くのアマチュアゴルファーにとって最もバランスが良く、スコアメイクしやすい「王道」の組み合わせと言えます。
特に、最近のストロングロフト化したアイアンセットとの相性が抜群です。
現代のアイアンは飛距離性能を重視するため、ピッチングウェッジ(PW)のロフト角が44度前後に設定されていることが多くあります。
その場合、その下のサンドウェッジ(SW)を56度にすると、間に12度ものロフト差が生まれてしまい、その中間の距離を打つクラブがなくなってしまいます。
そこで、PW(44度)とSW(56度)の間に、48度と52度のウェッジを入れるのです。これにより、44度→48度→52度→56度と、ロフトが4度ずつ均等な間隔で並びます。
この4度ピッチが、フルショットで約10~15ヤードずつの安定した飛距離の階段を作り出し、「中途半端な距離が残ってしまった」という状況をなくしてくれます。
バウンス角の組み合わせとしては、フルショットで多用する48度はロー~ミッドバウンス、万能な52度はミッドバウンス、バンカーで使う56度はハイバウンス、というのが最も機能的で失敗のないセッティングです。
この王道の組み合わせは、多くのゴルファーにとって強力な武器となるでしょう。
52度と56度は距離と状況で使い分ける

52度と56度はウェッジセッティングの中心となる2本であり、その使い分けをマスターすることがスコアメイクの鍵となります。この2本は、単に飛距離が違うだけでなく、それぞれ得意な状況や球筋が異なります。
まず、基本的な飛距離の使い分けです。一般的にフルショットでは、52度の方が56度よりも10~15ヤードほど飛びます。100ヤード前後のショットが残った場合は52度、80~90ヤードなら56度、といった使い分けが基本になります。
次に、グリーン周りでの状況判断です。
52度は、ロフトが立っている分、ボールが低く出てラン(転がり)が多くなります。ピンまで距離があり、手前から転がして寄せたい状況、いわゆる「ピッチエンドラン」に適しています。
一方、56度は、ロフトが寝ているためボールが高く上がり、スピンもかかりやすくランが少なくなります。バンカー越えやグリーンエッジからピンが近いなど、ボールを上げて止めたい状況で活躍します。もちろん、主な役割であるバンカーショットでは絶対的なエースとなります。
この2本を「転がしの52度、上げの56度」と覚えておけば、コースでの判断がシンプルになります。状況に応じて適切に使い分けることで、アプローチのバリエーションが格段に広がるでしょう。
50-54-58度のバウンス設定例
PWのロフト角が46度前後のアイアンセットを使っている場合、「50度、54度、58度」という4度ピッチのセッティングが非常に機能的です。
ここでは、この組み合わせにおけるバウンス設定の具体例を紹介します。
このセッティングも基本的な考え方は同じで、ロフトが寝るほどハイバウンスにするのがセオリーです。
- 50度(ギャップウェッジ): バウンス角 8度前後(ロー~ミッド)
 このクラブは主にフルショットで距離を合わせるために使います。
 フェアウェイなど比較的良いライから打つことが多いため、ソールが跳ねずにクリーンにコンタクトしやすいロー~ミッドバウンスが適しています。
- 54度(アプローチウェッジ): バウンス角 10度前後(ミッド)
 フルショットからアプローチまで、最も幅広く使う番手です。
 様々な状況に対応できる万能性が求められるため、オールラウンドなミッドバウンスが最適です。
- 58度(サンド/ロブウェッジ): バウンス角 12度~14度(ハイ)
 バンカーショットや、ボールを高く上げて止めたい場面で活躍します。
 ヘッドが砂や芝に潜りすぎるのを防ぐため、しっかりとバウンスが効くハイバウンスを選びましょう。これにより、バンカーからの脱出が格段にやさしくなります。
この「50度/8度」「54度/10度」「58度/14度」という組み合わせは、それぞれのクラブの役割分担が明確で、非常にバランスの取れたセッティングの一例です。
これを基準に、ご自身のスイングタイプや好みに合わせて微調整していくと良いでしょう。
バウンス10度はオールラウンドに使える基準値

ウェッジのバウンス角「10度」は、数ある選択肢の中で一つの大きな基準点となります。
これは一般的に「ミッドバウンス」に分類され、そのバランスの良さから、あらゆる状況で安定した性能を発揮するオールラウンドな性能を持っています。
もしあなたが「どのバウンス角を選べばいいか全くわからない」と悩んでいるなら、まずはこの10度前後のモデルから試してみることをお勧めします。
バウンス10度のウェッジは、ハイバウンスのように硬い地面で跳ねすぎることが少なく、ローバウンスのように柔らかい地面で刺さりすぎることもありません。
フェアウェイからのフルショット、ラフからのアプローチ、そしてある程度の砂の硬さのバンカーまで、幅広い状況を及第点以上にこなしてくれます。
特に、アプローチウェッジ(50度~54度)のように、グリーン周りで様々な打ち方をするクラブには、この10度というバウンス角が最適です。
転がしたい時、少し上げたい時、どちらのイメージにも対応しやすく、ゴルファーの意図を素直に反映してくれます。
もちろん、これが全てのゴルファーにとっての最適解というわけではありません。しかし、自分のスイングやプレースタイルを知るための「物差し」として、このバウンス10度という基準値を知っておくことは、今後のクラブ選びにおいて必ず役立つでしょう。
56度バンス14はバンカー脱出の強い味方

この劇的な脱出シーンのように、「56度のロフトに14度のバウンス」という組み合わせは、バンカーショットに苦手意識を持つ多くのアマチュアゴルファーにとって、まさに救世主となり得る存在です。
この「ハイバウンス」設定は、バンカー脱出をやさしくするために最適化されています。
バンカーショットの基本は、ボールを直接打つのではなく、ボールの手前の砂を爆発させて(エクスプロージョン)、その力でボールを外に運び出すことです。
この時、バウンス角14度という大きな出っ張りが、クラブヘッドが砂に深く潜りすぎるのを強力に防いでくれます。
インパクトでソールが砂に当たると、この大きなバウンスが砂を押し出し、ヘッドをボールの下に滑り込ませてくれます。そのため、多少インパクトの位置がずれても、クラブが砂の抵抗に負けることなく、安定してボールを上げてくれるのです。
難しい技術を必要とせず、ただ振り抜くだけでクラブが仕事をしてくれる感覚です。
特に、砂が柔らかいバンカーや、ボールが目玉になってしまったような状況で、このハイバウンスは絶大な効果を発揮します。
もしあなたがバンカーに入るたびに憂鬱な気分になっているのなら、この「56度/14度」のサンドウェッジを試してみてください。
バンカーへの苦手意識が克服され、ゴルフがもっと楽しくなるはずです。
総括:自分に合うウェッジのバウンスと組み合わせを見つけよう

この記事を通じて、ウェッジのバウンスとロフトの組み合わせが、いかにスコアメイクにおいて重要であるかをご理解いただけたかと思います。最適なセッティングを見つけるためのポイントを以下にまとめます。
自分にぴったりのウェッジのバウンスと組み合わせを見つけることは、ゴルフの楽しさを再発見する旅のようなものです。この記事が、その旅の最高のガイドとなることを願っています。
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