「ピッチングウェッジ(PW)で打つとグリーンオーバー、でもサンドウェッジ(SW)だと届かない…」100ヤード前後の微妙な距離感に、このように悩んでいるアマチュアゴルファーは少なくありません。
実はその悩み、現代のゴルフクラブ、特にアイアンの「ストロングロフト化」が原因かもしれません。
結論から言うと、多くのアマチュアゴルファーにとって最適なウェッジ セッティングの答えは「48度、52度、56度」の3本構成です。
この組み合わせが、ストロングロフト化したPWとSWの間の飛距離をきれいに埋め、スコアメイクの鍵となるショートゲームの精度を劇的に向上させます。
この記事では、基本となる48度、52度、56度のウェッジの具体的な使い分けや飛距離の目安を徹底解説。
さらに、60度ウェッジを追加する4本セットの考え方や、松山英樹プロをはじめとするトップ男子プロが採用する最新のセッティング事例まで、あなたのゴルフを一段階上へと導くための知識を網羅的にご紹介します。
ぜひ、ご自身のプレースタイルに合わせた理想のセッティングを見つけるための参考にしてください。
ゴルフ用品に関する情報は、信頼できる日本ゴルフ用品協会のサイトも役立ちます。
- 48度・52度・56度の役割と飛距離、状況別の使い分けをマスターする。
- なぜ現代ゴルフでウェッジ3本以上が必要なのか、その理由を理解する。
- 男子プロの最新トレンドから、より戦略的な組み合わせのヒントを得る。
- 58度や60度のハイロフトウェッジの必要性を知り、自分に合った本数と組み合わせを選択する。
ウェッジの48・52・56度セッティング|基本の使い分けと飛距離

現代のゴルフクラブセッティングにおいて、「48度、52度、56度」というウェッジの組み合わせは、最もバランスの取れた基本形と言えます。
このセクションでは、それぞれのウェッジが持つ役割や飛距離の目安、そして具体的な使い分けについて、初心者にも分かりやすく解説します。この基本を理解することが、スコアアップへの第一歩です。
- 状況に応じた使い分けでスコアUP
- 52度と56度の使い分けはアプローチとバンカーが鍵
- フルショットでのロフト別飛距離は約100ヤードが目安
- 何ヤードを狙うか?アプローチでは転がしが基本
- モデルによって違う?標準的なクラブの長さ
- バランスの取れたセットで飛距離の階段を作る
状況に応じた使い分けでスコアUP

48度、52度、56度のウェッジセットは、各クラブの役割分担が明確で、状況に応じて最適なショットを選択できるのが最大の強みです。
この3本を使い分けることで、100ヤード以内の様々な距離やライに効果的に対応し、スコアメイクを有利に進めることができます。
基本的な役割分担は以下の通りです。
| ロフト角 | 主な役割 | 特徴 |
|---|---|---|
| 48度 | フルショット・転がし | PWとAWの間の距離を埋める。フルショットで100ヤード前後を狙う。グリーン周りではランニングアプローチでミスを減らしやすい。 |
| 52度 | 万能・ピッチ&ラン | フルショットからアプローチまで幅広く対応。キャリーとランが1:1の基本的なアプローチに最適。 |
| 56度 | 上げる・バンカー | バンカーショットの基本クラブ。ボールを高く上げて止めたいアプローチ、特にピンが近い状況で威力を発揮する。 |
この3本があれば、フルショットでの距離の打ち分けはもちろん、グリーン周りでは「転がす(48度)」「上げて運ぶ(52度)」「高く上げて止める(56度)」という3つの選択肢を持てます。
これにより、ピンの位置やグリーンの傾斜、ハザードの状況などを考慮した、より戦略的なショートゲームが可能になります。
まずはこの基本的な役割を覚え、練習場でそれぞれの距離感と弾道を掴むことから始めましょう。
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52度と56度の使い分けはアプローチとバンカーが鍵

ウェッジセッティングの中でも、特に52度と56度の使い分けはスコアに直結する重要なポイントです。この2本はアプローチの要であり、それぞれの特性を理解することで、寄せワンの確率が格段に上がります。
結論として、「基本的なアプローチは52度、バンカーやボールを上げたい特別な状況は56度」と覚えるのが最もシンプルで効果的です。
52度ウェッジ(アプローチウェッジ)の役割
52度は、アプローチの基本となる「ピッチ&ラン」に最適なクラブです。ボールを適度に上げて、着地してから適度に転がってピンに寄っていくイメージです。
キャリーとランの比率が約1:1になるため、距離感を合わせやすいのが特徴。グリーンエッジからピンまである程度の距離がある状況で、最も頼りになる一本と言えるでしょう。
フルショットでは80〜100ヤード前後をカバーします。
56度ウェッジ(サンドウェッジ)の役割
56度は、その名の通り、まず「バンカーショット」で絶対的な性能を発揮します。ソールのバウンスが砂の爆発を助け、楽に脱出させてくれます。
アプローチでは、ロフトが大きいためボールが高く上がり、スピンがかかりやすくグリーンにピタッと止まるショットが打ちやすいのが特徴。
ピンが手前にある、砲台グリーンで上げなければならない、といった高さが必要な場面で活躍します。
この2本を明確に使い分けることで、「なんとなく」のアプローチから脱却し、状況に応じた意図のあるショットが打てるようになります。
フルショットでのロフト別飛距離は約100ヤードが目安

48度ウェッジの最大の役割は、フルショットで100ヤード前後の距離を安定して打つことです。
現代のストロングロフト化したピッチングウェッジ(PW)が110〜120ヤード飛ぶ一方、52度のウェッジでは90ヤード程度しか飛ばない、という飛距離のギャップを埋めるために不可欠なクラブと言えます。
一般的なアマチュア男性ゴルファー(ヘッドスピード40m/s前後)のロフト角ごとのフルショット飛距離目安は以下の通りです。
| ロフト角 | フルショット飛距離目安 | 役割 |
|---|---|---|
| 48度 | 95~110ヤード | PWとAWのギャップを埋める |
| 52度 | 80~100ヤード | AWとSWのギャップを埋める |
| 56度 | 65~95ヤード | 短い距離をコントロールする |
※飛距離は個人のスイングや使用ボールによって変動します。
表を見てわかる通り、48度はパー4のセカンドショットや距離の短いパー3で多用する「100ヤード」という基準の距離を、力まずにフルショットで狙える大きなメリットがあります。
スイングの振り幅で距離を調整するコントロールショットはミスが出やすいため、自信を持って振り切れるクラブがあることは、スコアメイクにおいて非常に重要です。
この48度は、実質的に「11番アイアン」のような感覚で使える、頼れる一本となります。
何ヤードを狙うか?アプローチでは転がしが基本

48度ウェッジはフルショットだけでなく、グリーン周りのアプローチでも強力な武器になります。特に「転がして寄せる」ランニングアプローチにおいて、その真価を発揮します。
フルショットで狙うヤード数
前述の通り、フルショットでは95〜110ヤードを狙うのが基本です。自分の正確な飛距離を把握し、「あと100ヤード」という場面で迷わず選択できるようにしておきましょう。
アプローチでの活用法
アプローチで48度ウェッジを使う最大のメリットは、ミスに強いことです。ロフトが立っているため、56度や58度のようなハイロフトウェッジに比べてボールの下をくぐってしまう「ダルマ落とし」や、刃がボールに直接当たってしまう「トップ」のミスを大幅に軽減できます。
使い方のイメージはパターに近く、ボールを高く上げる必要がなく、グリーンエッジからピンまで距離がある場面で有効です。
キャリー(ボールが空中を飛ぶ距離)とラン(着地してから転がる距離)の比率がおおよそ1:2〜1:3となり、少しだけキャリーさせて、あとはパターのように転がして寄せる戦略が取れます。
アプローチに苦手意識がある人ほど、この48度での転がしを覚えることで、スコアが安定しやすくなります。
モデルによって違う?標準的なクラブの長さ

56度ウェッジの長さは、メーカーやモデル、そして装着されているシャフトによって異なりますが、一般的にはアイアンセットの中で最も短いクラブの一つです。
標準的なスチールシャフト装着モデルの場合、56度ウェッジの長さは35.0インチから35.25インチあたりが一般的です。
参考までに、ピッチングウェッジが約35.5インチ、9番アイアンが約36.0インチとなっており、番手が大きくなる(ロフトが増える)につれて0.25〜0.5インチずつ短くなっていくのが基本的な流れです。
なぜ長さが重要なのか?
クラブの長さは、スイングのしやすさや飛距離、そしてミート率に影響します。ウェッジは飛距離よりも方向性や距離感のコントロールが重視されるため、短めに設計されているのが特徴です。
短いことでクラブをコントロールしやすくなり、特にグリーン周りの繊細なショットで安定感が増します。
ただし、ゴルファーの身長や構え方によっては、標準の長さが合わない場合もあります。もし構えた時に窮屈に感じたり、逆に遠く感じたりするようであれば、ゴルフショップや工房でフィッティングを受け、自分に合った長さに調整することもスコアアップの有効な手段です。
多くのメーカーでは、カスタムオーダーで長さを指定することも可能です。
バランスの取れたセットで飛距離の階段を作る

48度、52度、56度というウェッジの組み合わせがなぜ優れているのか。その最大の理由は、ロフト角が4度ずつ均等な間隔になっており、これにより理想的な「飛距離の階段」を簡単に作れるからです。
飛距離の階段とは?
飛距離の階段とは、各クラブのフルショットの飛距離が、10ヤードから15ヤード刻みで等間隔に揃っている状態を指します。例えば、以下のような状態です。
- PW (44度): 115ヤード
- 48度: 105ヤード (-10y)
- 52度: 95ヤード (-10y)
- 56度: 85ヤード (-10y)
このように、番手間の飛距離差が一定になることで、「この距離ならこのクラブ」という判断がシンプルになり、中途半端な力加減で打つコントロールショットを減らすことができます。
結果として、大きなミスが減り、自信を持ってピンを狙える場面が増えるのです。
ストロングロフト化した現代のPW(44度前後)から、この48-52-56の3本セットに繋げることで、4度という理想的なロフトピッチが完成します。
これは、難しい理論を考えなくても、誰でも論理的でバランスの取れたセッティングが組めることを意味します。
これからウェッジセッティングを見直す方にとって、この組み合わせは最も失敗が少なく、効果を実感しやすい王道のセットと言えるでしょう。
48・52・56度以外のウェッジセッティングは?プロの事例と比較

「48度、52度、56度」は非常に優れた基本セッティングですが、ゴルファーのスキルレベルやプレースタイル、挑戦するコースの特性によっては、他の組み合わせが有効な場合もあります。
このセクションでは、60度などのハイロフトウェッジを追加する考え方や、世界のトッププロがどのようなセッティングで戦っているのかを比較しながら、より深くウェッジの世界を探求していきます。
- 60度を追加した4本セッティングのメリット
- アマチュアに人気の50度, 56度, 60度という選択肢
- 56度の代わりに58度を入れる使い分け
- 58度と両方入れるプロもいる戦略的な理由
- 54度, 60度という現代的な組み合わせの狙い
- 参考になる男子プロの最新トレンド
- 松山英樹などトップ男子プロの最新事例
60度を追加した4本セッティングのメリット

基本の48度、52度、56度の3本セットに60度のロブウェッジを加える4本セッティングは、よりショートゲームを攻撃的に、そして繊細に行いたいゴルファーにとって大きなメリットがあります。
最大のメリットは、究極の「高さ」と「スピン」を手に入れられることです。60度ウェッジは、ロフト角が非常に大きいため、他のどのクラブよりもボールを高く打ち上げ、強烈なバックスピンでグリーン上にボールを素早く止めることができます。
具体的には、以下のような状況で絶大な効果を発揮します。
- ピンがグリーンエッジのすぐ近くにある場合
- グリーンが硬く、ボールが止まりにくい高速グリーンの場合
- 深いラフやアゴの高いバンカーを越えなければならない場合
これらの状況では、56度ウェッジでもランが出てしまい、ピンに寄せることが困難です。しかし60度ウェッジがあれば、キャリーでピンを直接狙い、真上から落とすようなイメージで攻めることが可能になります。
また、48-52-56-60という4度刻みのセッティングにすることで、飛距離の階段がさらに細かくなり、フルショットでの距離の打ち分けがより正確になるという利点もあります。
ただし、ウェッジを4本入れるには、フェアウェイウッドやユーティリティを1本抜く必要があるため、全体のクラブバランスを考慮することが重要です。
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アマチュアに人気の50度, 56度, 60度という選択肢

48度スタートではなく、50度をアプローチウェッジ(AW)の基準とする「50度、56度、60度」という3本セットも、アマチュアゴルファーの間で人気のある組み合わせの一つです。
このセッティングは、特にアイアンセットのPWが45〜46度といった少し寝ているモデルを使っているゴルファーに適しています。
このセッティングの特徴は、ロフトの間隔が均等ではない点にあります。
- PW (46度) → 50度: 4度差
- 50度 → 56度: 6度差
- 56度 → 60度: 4度差
50度と56度の間に6度という少し大きめのロフト差が生まれるため、その間の距離(約20〜25ヤード)をコントロールショットで打ち分ける技術が求められます。
このセッティングが好まれる理由
この組み合わせの最大の魅力は、グリーン周りのオプションが豊富になる点です。
- 50度: バランスの取れたAWとして、ピッチ&ランで安定したアプローチが可能。
- 56度: 伝統的なSWとして、バンカーショットで絶対の信頼を置ける。
- 60度: 究極のハイロフトウェッジとして、難しい状況からの起死回生のロブショットを可能にする。
つまり、フルショットでの均等な飛距離の階段を多少犠牲にしてでも、グリーン周りでの「上げる」「止める」といった特殊なショットの選択肢を増やしたい、という戦略的な意図を持つゴルファーに選ばれる傾向があります。
自分のゴルフスタイルが、フルショットの精度よりもアプローチの多彩さを重視するタイプであれば、このセッティングを試してみる価値は十分にあります。
56度の代わりに58度を入れる使い分け

PWの下に48度と52度を入れ、サンドウェッジとして標準的な56度の代わりに、よりロフトの大きい58度を選択する「48度、52度、58度」というセッティングも非常に人気があります。
特に、多くのアマチュアや女子プロがこの組み合わせを採用しています。
このセッティングの使い分けと狙いは以下の通りです。
56度と58度の違い
たった2度の違いですが、ボールの上がりやすさとスピン性能に明確な差が生まれます。58度は56度に比べてボールがより高く上がり、スピンもかかりやすいため、グリーン上でボールを「ピタッ」と止めたい場面でより効果的です。
「48-52-58」セッティングの戦略
- 48度: フルショットで100ヤード前後を狙う。
- 52度: 85〜95ヤードのフルショットと、基本的なピッチ&ランを担当する万能クラブ。
- 58度: バンカーショットと、「上げる・止める」アプローチの専門クラブ。56度よりも高さが出せるため、より難しい状況に対応できる。
このセッティングでは、52度と58度のロフト差が6度と少し開きます。そのため、基本的なアプローチはすべて52度で行い、バンカーショットやどうしてもボールを高く上げたい特別な状況でのみ58度を使う、という役割分担が明確になります。
56度よりも少しだけやさしさを犠牲にしてでも、いざという時の「一発の寄せ」の可能性を高めたいゴルファーに適した、実戦的なセッティングと言えるでしょう。
58度と両方入れるプロもいる戦略的な理由

アマチュアには少し考えにくいかもしれませんが、トッププロの中には56度と58度のウェッジを両方キャディバッグに入れる選手もいます。これは、わずか2度のロフト差に、明確な戦略的意図と役割分担を持たせているからです。
その戦略的な理由とは、「バウンス角」を使い分けることにあります。
バウンス角とは?
バウンス角は、クラブのソール(底面)の出っ張り具合を示す角度のことです。
- ハイバウンス(角度が大きい): ソールが滑りやすく、砂の多いフワフワなバンカーや、芝の深いラフでクラブが地面に刺さるのを防いでくれる。
- ローバウンス(角度が小さい): ソールが滑りにくく、地面が硬いフェアウェイや、砂が少ない締まったバンカーで刃が浮きにくい。フェースを開いて使いやすい。
プロの戦略的な使い分け
例えば、以下のような組み合わせでセッティングします。
- 56度(ハイバウンス): 主にバンカーショット用。特に砂が柔らかいバンカーで、エクスプロージョンショットを安定させるために使用する。
- 58度(ローバウンス): 主にフェアウェイからのアプローチ用。フェースを開いてボールを高く上げたり、スピンをコントロールしたりと、多彩なショットを打つために使用する。
このように、同じようなロフトでもバウンス角の違うクラブを2本入れることで、ライの状況(地面の硬さや砂質)に応じて最適なクラブを選択し、ミスの確率を極限まで減らそうという狙いがあります。
これは、ほんのわずかな差が勝敗を分けるプロの世界ならではの、非常に高度なセッティング術と言えます。
54度, 60度という現代的な組み合わせの狙い

ウェッジセッティングのトレンドは常に進化しており、最近では「48度、54度、60度」という6度刻みの組み合わせも注目されています。
このセッティングは、クラブの本数を抑えつつ、ショートゲームでの攻撃力を最大化したいという現代的な狙いがあります。
6度刻みセッティングの考え方
このセッティングは、PW(42度前後)からスタートすることを想定しています。
- PW (42度) → 48度: 6度差
- 48度 → 54度: 6度差
- 54度 → 60度: 6度差
このように、すべてのウェッジ間が6度という均等な間隔で構成されています。
この組み合わせのメリットとデメリット
- メリット:
- デメリット:
このセッティングは、フルショットの距離感をコントロールする技術に自信があり、少ない本数で多彩なショットを打ち分けたい上級者向けの組み合わせと言えます。自分の技術レベルと相談しながら、このような現代的な選択肢も検討してみるのも面白いでしょう。
参考になる男子プロの最新トレンド
世界の第一線で戦う男子プロゴルファーのウェッジセッティングは、アマチュアゴルファーにとって非常に有益なヒントの宝庫です。
彼らのセッティングには、現代ゴルフのトレンドと、極限の状況でスコアを出すための戦略が詰まっています。
男子プロの最新トレンドは「ウェッジ4本」と「ハイロフト化」
- ウェッジ4本が主流:
PGAツアーなど世界のトップレベルでは、PWとは別にウェッジを3本入れる「合計4本」のセッティングが大多数を占めています。
これにより、ロフト間隔を4度前後で揃え、10〜15ヤード刻みの精密な飛距離の階段を構築しています。
中途半端な距離を残さず、常にフルショットに近い感覚でピンを狙うための必然的な選択と言えます。 - 60度以上のロブウェッジは当たり前:
男子プロのセッティングで特徴的なのは、ほとんどの選手が60度、あるいはそれ以上のロブウェッジを入れている点です。
これは、高速で硬く仕上げられたトーナメント仕様のグリーンに対応するためです。
ランを計算するのではなく、「高さ」でボールをグリーンに止める戦略が不可欠であり、そのために60度以上のウェッジが必須アイテムとなっています。 - 多様化するロフト構成:
かつては「52度、58度」が定番でしたが、現在はアイアンのストロングロフト化に合わせて、「50度、54度、58度」や「48度、52度、56度、60度」など、選手のプレースタイルや使用アイアンに合わせてセッティングは多様化しています。
我々アマチュアがプロの真似をすべてする必要はありませんが、「なぜプロはそのセッティングを選ぶのか?」という背景を理解することは、自分のクラブ選びにおいても大きな判断材料となるはずです。
松山英樹などトップ男子プロの最新事例
具体的なトップ男子プロのセッティングを見ることで、トレンドをより深く理解することができます。ここでは、世界で活躍する松山英樹プロをはじめとするトップ選手の事例を見ていきましょう。
松山英樹プロのセッティング
長年、松山プロのウェッジセッティングは、PWに加えて以下の3本で構成されています。
- 52度
- 56度
- 60度
彼の特徴は、アプローチの基準を56度に置いている点です。ほとんどのグリーン周りのショットをこの56度でコントロールし、特別な状況、例えばどうしても高く上げる必要がある場面でのみ60度を使用すると言われています。これは、基本となるクラブで距離感を徹底的に磨き上げ、いたずらにクラブを替えすぎないことで安定性を高めるという、トッププロならではの哲学が感じられます。
その他のトッププロの事例
| 選手名 | ウェッジセッティング (PW以外) | 特徴 |
|---|---|---|
| スコッティ・シェフラー | 50度, 56度, 60度 | アプローチの天才。56度と60度の使い分けが絶妙。 |
| 石川遼 | 48度, 52度, 56度, 60度 | PWを抜き、ウェッジを4本入れる超攻撃的セッティング。 |
| 中島啓太 | 50度, 54度, 58度 | 4度刻みの現代的なトレンドを反映したバランス型。 |
このように、トッププロたちはそれぞれ自分のゴルフスタイルや使用アイアンに合わせて、最適なロフトの組み合わせを追求しています。
アマチュアが参考にすべきは、彼らがロフト間の「飛距離の階段」をいかに重要視しているかという点です。自分のPWのロフト角を基準に、プロの考え方を取り入れながら、最適なセッティングを組んでみてください。
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総括:ウェッジ セッティングで48・52・56度を使いこなそう

この記事で解説した、ウェッジセッティングに関する重要なポイントを以下にまとめます。



